後半に4ゴールを奪って大逆転勝利を収めた愛媛FC

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 新型コロナウイルスの影響で発生した過密日程を見据え、世界中のリーグ戦では「交代枠5人」の臨時ルールが採用されている。JリーグでもJ2再開・J3開幕を迎えた27日から適用スタート。28日までに行われたJ2第2節、J3第1節では、全40チームのうち32チームが4人以上の交代を行っていた。(19チームが5人交代、13チームが4人交代)

 交代枠の拡大により、指揮官の動きが早まる傾向も見られた。臨時ルールでは交代回数は3回までに限られるが、ハーフタイムの交代は回数に算入されない。そのため合計12チームが後半開始時に交代選手を投入した。徳島と対戦した愛媛FCは0-3で迎えたハーフタイムに3枚替えを敢行。これが呼び水となって劇的な大逆転勝利を収めていた。

 試合後、愛媛の川井健太監督は「まるでジェットコースターに乗っているような試合だった。前半でわれわれが3失点するというのも正直予想していなかった」としつつ、「5人交代があるということは、いろんなものを変えられるスイッチになると思っていた」と臨時ルールを歓迎。「中断期間でいろんな顔を持ちたいとやっていたので、後半はよくやれた」と振り返った。(Jリーグ公式サイトより引用)

 またギラヴァンツ北九州、いわてグルージャ盛岡、Y.S.C.C横浜の3チームは前半途中に交代カードを切っていた。YS横浜は負傷によるものだが、北九州と岩手はビハインドの状況を受けて早めの対策を講じたもの。交代枠が本来の3枚であったら、なかなか踏み切れない対応だ。

 なかでも北九州においては、早めの交代策が新たなオプションになることが感じられた。北九州の小林伸二監督は長崎戦の前半40分、0-1の状況で、イエローカード1枚をもらっていたDF生駒仁を下げてMF國分伸太郎を投入。中盤に入っていたMF川上竜を一列下げるという決断をした。試合には敗れたものの、投入した國分は一矢報いるゴールを決めた。

 試合後、リモート会見に出席した指揮官は「相手は2トップもしくは1トップで、1トップであれば2枚で運ぼうと練習していたが、思った以上に運べなかった。これ以上点を取られたら…ということで早めにカードを切った」と交代の狙いを説明。試合前から「体力は今までと比べてフルではないが、5人のカードを工夫する」という意図があったと明かした。

 その上で、前半途中の交代に踏み切った理由について「ハーフタイムに替えるより、ゲームに慣れさせることができる」と説明。試合後、同じくリモート会見に出席した國分も「前半のうちに中の情報を感知できた。後半頭は試合がバタバタするが、前半に落ち着いた状況で入れたことで、イメージが作りやすいので良かった」と前向きに振り返った。

 なお、國分にとってはこれがJ2初ゴール。昨季までのサイドハーフではなく、今季はボランチ起用が続いている中、さっそく結果を出す形となった。

「0-2で負けていたのでゴールで興奮したというのはない」と冷静に語った國分だったが、新たな役割には「僕はサイドハーフでも仕掛けるタイプではなく、スペースを探して入って行って縦パスを入れるタイプ。見え方は違うが考え方は似ている」と手応え。「課題は多くあるけど、前に関わりながらアイデアを出せる特長にも合っている」と前向きに語っていた。

 7月4日にはJ1リーグも待望の再開を迎え、トップカテゴリでも同様に交代5人枠が採用される。今季は1週間に2試合の過密日程が多くの週で組まれている中、ベンチ入り7人のうち「どの5人を投入するか」という人数配分だけでなく、「どこで最初のカードを切るか」といった時間配分も一つの鍵になりそうだ。

 27〜28日に行われたJ2・J3リーグの交代人数と、ハーフタイムの交代選手(カッコ書きは前半途中の交代)は以下のとおり。

◆J2

東京V(4人) 1-1 町田(3人)

甲府(5人) 3-3 新潟(3人)

金沢(4人) 0-0 松本(3人)

愛媛(5人) 4-3 徳島(5人)

山形(4人) 1-0 栃木(4人)

群馬(4人) 1-3 水戸(5人)

千葉(4人) 0-1 大宮(3人)

岡山(4人) 2-2 山口(5人)

長崎(5人) 2-1 北九州(5人)

京都(5人) 2-0 磐田(5人)

琉球(5人) 1-1 福岡(4人)

・東京V

井出遥也→藤本寛也

小池純輝→山下諒也

・甲府

山田陸→山本英臣

・愛媛

山崎浩介→西岡大輝

田中裕人→川村拓夢

山瀬功治→丹羽詩温

・北九州

生駒仁→國分伸太郎(前半40分)

福森健太→野口航

◆J3

岩手(5人) 0-4 秋田(5人)

福島(4人) 2-0 八戸(5人)

沼津(3人) 2-1 藤枝(3人)

相模原(4人) 0-0 YS横浜(5人)

岐阜(5人) 0-0 今治(5人)

熊本(4人) 3-2 鹿児島(4人)

C大23(2人) 0-1 鳥取(5人)

富山(5人) 1-1 長野(5人)

讃岐(4人) 2-3 G大23(1人)

・岩手

佐々木祐太→ブレンネル(前半40分)

下畠翔吾→森下俊

・相模原

三島康平→ユーリ

・YS横浜

花房稔→船橋勇真(前半28分/負傷)

西山峻太→音泉翔眞

・長野

内田恭兵→吉村弦

・G大23

當麻颯→伊勢航

・鳥取

新井泰貴→坂井大将

・讃岐

神谷椋士→重松健太郎

・鹿児島

野嶽惇也→田中奏一

萱沼優聖→三宅海斗

(取材・文 竹内達也)