米コカ・コーラ社、SNSでの広告を30日間停止 SNS上の人種差別を問題視

写真拡大

コカ・コーラ社は、ソーシャルメディアへの広告掲載を少なくとも30日間停止すると発表した。アメリカでは、ソーシャルメディア各社のヘイトスピーチ(憎悪表現)対応に抗議するため、大手企業などが次々と広告を取りやめている。

コカ・コーラ社のジェイムズ・クインシー会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で、「世界にもソーシャルメディアにも、人種差別の場所はない」と話し、ソーシャルメディアに対し「説明責任と透明性の改善」を求めた。

アメリカでは5月に黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行され、死亡した事件を受け、公民権団体などが「Stop Hate for Profit(利益のためのヘイトをやめろ)」キャンペーンを開始。フェイスブックやインスタグラム、ワッツアップなどに対応を求めてきた。

これまでに90社以上が賛同して広告を引き揚げており、26日にはフェイスブックの株価が8.3%下落した。米通信社ブルームバーグによると、これによって同社の市場価値は560億ドル下がり、マーク・ザッカーバーグ共同創業者兼会長兼CEOの個人資産も72億ドル減ったという。この結果、世界3位の高額所得者の座はザッカーバーグ氏ではなく、 「LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」のベルナール・アルノー取締役会長兼CEOに入れ替わった。

<関連記事>

フェイスブック「有害」コンテンツにラベル表示へ 大手企業の広告引き揚げ受け フェイスブック、トランプ陣営の選挙広告を削除 「ナチスの憎悪のシンボル」使用で スナップチャット、トランプ氏の投稿の宣伝を停止 「暴力を扇動」

フェイスブックはこれまで、有害だと指摘のあった投稿について、「ニュース価値」を理由に削除やラベリングを行ってこなかった。

しかし26日には、今後は有害な可能性のある投稿にラベル表示すると発表。ザッカーバーグ氏は、「特定の人種や民族性、出身地、宗教、階級、性的指向、性自認、移民といったステータス」を脅威として説明する広告を禁止すると話している。

これに対し「Stop Hate for Profit」の主催者などから、フェイスブックの対応は不十分だという批判が出ている。

「広告ポリシーを再検討するため」

コカ・コーラは「Stop Hate for Profit」の参加企業としてリストアップされているが、同社はCNBCの取材で、広告停止は活動への参加を意味していないとしている。

クインシーCEOは、世界的に「SNSプラットフォームでの活動を一時停止」している間に、「自社の広告ポリシーを再検討し、改定が必要かを見極める」と話した。

衣料品大手のリーバイ・ストラウスも、ザッカーバーグ氏の発表を受け、フェイスブックでの広告を停止すると表明。コカ・コーラとは違い、フェイスブックの施策は不十分だと批判した。

ジェン・セイ最高マーケティング責任者(CMO)は、「フェイスブックには確固たる変化を約束してほしい」と話した。

「誤情報やヘイトスピーチの拡散を止める、意味のある改善が見たい。有権者の投票妨害につながる政治広告やコンテンツについて、もっとしっかり取り組んでもらいたい。フェイスブックがきょう、その方向性でいくつかの対策を発表したことは評価するが、まったく不十分だ」

フェイスブックへの風当たり強まる

「Stop Hate for Profit」運動には、全米黒人地位向上協会 (NAACP)や名誉毀損防止リーグ(ADL)など、アメリカの主要な人権団体が参加している。

フェイスブックの方針変更発表について「Stop Hate for Profit」は、その実施状況を客観的な第三者が確認・検証する術がなく、地球最大のソーシャルメディアが抱える問題は何も実質的に改善されないと、声明を出して反発した。

「フェイスブックは前から同じようなことを繰り返している。過去にも謝罪はした。自分たちのサービスが関与する大惨事が起きるたびに、ほんの少しばかり対策をとった。こうしたことはもう終わらせなくてはならない」

「Stop Hate for Profit」運動はその上でフェイスブックに対し、複数の対応を要求した。その一部は次の通り――。

公民権に詳しい経営役員の登用を含め、社内に恒久的な公民権インフラを構築すること 個人の特性を標的にしたヘイトや偽情報について、「どういう対策を実施している・いないというフェイスブックの主張はもはや信用できない」ため、第三者の独立監査を受け入れること 規約違反で削除されたコンテンツの隣に広告が掲載されていた広告主に、広告費を返済すること 白人至上主義や陰謀論、ワクチンや気候変動に関する誤情報などに特化している公開・非公開のグループを特定し、排除すること 後情報や陰謀論と関係するグループやコンテンツの「おすすめ」をやめること クレームを検討する専門家チームを作ること フェイスブック上の過激化や憎悪拡散を食い止めるため、常識的な方針変更を採用すること

(英語記事 Coca-Cola halts social media ads over hate content)