外出自粛が解かれたものの、以前に比べて家にいる時間が増え、これを機に料理を始める人が急増している!

そこで、今回は東カレでおなじみの人気店のシェフに、身近な食材でできる簡単“技アリ”レシピを聞いた。

お題は「夏野菜」「韓国料理」「お肉料理」の3つ!果たして、どんなレシピを授けてくれたのだろうか?




『falò』の樫村シェフが“夏野菜”で提案!

サッとマリネが美味しい!「夏野菜と豚肉のマルゲリータ風!チーズリゾット添え」


そろそろ、スーパーに行くと色鮮やかな旬の夏野菜が並ぶ時期。そこで、これらを活かす料理を……と思って、白羽の矢を立てたのが代官山『falò』の樫村シェフ!

ユニークな薪火イタリアンで人気を集めるが、素材の味を活かす点に関して、定評あり!

そんな樫村シェフが提案してくれたのは、ひと皿で見栄えもよくお腹も満たされるイタリアンオールスターなワンプレートだ。

お皿の上には、夏野菜のマリネ、豚肉のマルゲリータ、チーズリゾットという3要素。これらの料理をほぼ同時に作るのだが、それが誰でも可能なほど簡単。

たとえば夏野菜のマリネは焼いて、和えるのみ。また、リゾットは米と水を1対1で炊き、お湯とその他材料を混ぜるだけなのに、驚くほど絶妙なアルデンテに仕上がる。野菜と肉と米がバランスよく摂れて、彩りも鮮やか。

「野菜やチーズを変えたり、リゾットに風味をつけたり、アレンジはお好きに」とシェフ。自分用にも、誰かを招いたときにも作りたくなる、力強い一品だ。



【材料(1人分)】
日本米…………………………………90g
塩………………………………………少々
ニンニク………………………………1片
EXVオリーブオイル…………………適量
お湯……………………………………100g
茄子……………………………………1/2本
ズッキーニ……………………………1/2本
パプリカ………………………………1/4個
ゴーヤ…………………………………1/6本
ミント…………………………………適量
豚ロース………………………………1枚
市販のトマトソース…………………70g
モッツァレラ…………………………50g
バター…………………………………15g
パルメザンチーズ(すりおろし)…30g


◆作り方


1.米と水を同量にして炊飯器に入れる

米を研がずに炊飯器に入れ、ひとつまみの塩を加え米と同じ量の水(分量外)で炊く。水と米を同量にすることで、米の芯が残る。リゾットの場合、米は研がない方が米のでんぷん質が流れ出ず、よりクリーミーに仕上がる。


2.ニンニクを刻み、オリーブオイルと馴染ませる

ニンニクをみじん切りにしてEXVオリーブオイルを適量かけ、マリネ用の簡易ニンニクオイルを作る。タッパーに入れておけば1週間は日持ちする。ニンニクの胚芽は色が変わりやすく、苦味の元となるので取り除くのがベター。


3.夏野菜をグリルして、マリネで味を調整

大ぶりにカットした夏野菜に塩をふり、グリルパンで両面に焼き目がつくまで焼く。グリルパンがなければフライパンでもよい。グリルパンはストウブやル・クルーゼがデザインもサイズ感もよく家庭用におすすめ。


《技アリな一手!:浸けずに手で揉む、簡易マリネ》

[3]で焼いた夏野菜をバットや大皿に移し、熱いうちに[2]のオイルとちぎったミントでマリネする。ミントは手でちぎることで、より香りがたつ。手でしっかり揉み込めば味が入る。



4.豚ロースを焼き、トマトソースと絡める

フライパンにオリーブオイルを引いて豚ロースを焼く。両面に焼き色がついたころにトマトソースと少量の水を加え加熱して、肉と絡めながら約1分煮詰める。トマトソースはオリーブやハーブ入りでもよい。


5.肉の上にモッツァレラを乗せ、溶けるまで火を入れる

[4]の肉にモッツァレラをのせ、とろけるまで火を入れる。スプーンでソースをかけながら火を入れると早く溶ける。応用が効くので、好みによってゴルゴンゾーラやとろけるチーズでもOK。


6.米にチーズなどを入れ、しっかり、混ぜていく

米が炊き上がったら炊飯器にお湯、バター、パルメザンチーズを入れ、とろみがつくまで混ぜてリゾット状にする。お湯をチキンブイヨンにすればより深みが出る。残ったリゾットはチーズを足して焼きリゾットにしても美味しい。


7.3つをきれいに盛り付けて完成

大きめのお皿に、リゾットを中心に盛り付ける。それぞれ食べても、2〜3品合わせて食べるのもご自由に。




教えてくれたのは“素材を生かすイタリアンの名手!”
『falò』樫村仁尊シェフ

2016年に『falò(ファロ)』をオープン。店名はイタリア語で焚火を意味する。

その名の通り、店内中央には炭火台が置かれ、焼き場を囲むようにカウンター席が配置されており、お洒落な大衆酒場のような雰囲気で人気。

樫村シェフは『リストランテ アクアパッツァ』日郄良実シェフの下で修業を積んだ実力者。

素材の持ち味を生かすことを考え、たどり着いたのが現在の焚火焼きだった。営業中はハチマキ姿で焼き場に立つ。


実は、韓国の味も自宅で簡単に楽しめる!




『ホルモン船 ホールちゃん』の鄭シェフが“おうちでできる韓国料理”を提案!

コーラ漬けがレシピのポイント!「カンジャンセウ(エビの醤油漬け)」


「愛の不時着」、「梨泰院クラス」など、韓国ドラマがこれまでにも増してブレイク中の昨今だが、レシピの世界でも韓国料理は大人気!

そこで、「韓国料理」をテーマにレシピをお願いしたのが、新大久保にある焼肉店『ホルモン船 ホールちゃん』の鄭 壽福(ディ スボク)シェフ。

同店といえば、お肉の他にも「カンジャンケジャン(カニの醤油漬け)」が名物。

お店のようなカンジャンケジャンを家で作って食べられたら最高だけれど、さすがに自分で作るのは難易度が高いか……。

と、躊躇していると「エビでも美味しくできるよ。むしろ韓国の家庭ではエビが定番!」と鄭さん。エビなら手に入りやすく挑戦しやすい。

殻付きの車エビをきれいにしたら、甘辛い漬け汁の前にコーラに漬けるというのが驚き。が、これが味をしっかり染み込ませるための大切なステップだ。

美しく仕上げるコツは、下ごしらえの際にヒゲや脚を切るひと手間を怠らないようにすることだとか。

漬け汁をしっかりまとって艶やかに仕上がったエビは、なんとも豪勢。

できあがったカンジャンセウはそのまま食べてもイケるのはもちろん、卵黄とともに温かいごはんにのせて、だし醤油をたらり、で豪華なエビ丼に!



【材料(2人分)】
車エビ(殻付き)……………………………………10尾
コーラ…………………………………………………700ml(エビ全体が浸かる量)
長ねぎ…………………………………………………1本
タマネギ………………………………………………1/2個
リンゴ…………………………………………………1/2個
レモン…………………………………………………1個
青唐辛子………………………………………………2本
ショウガ………………………………………………大1個
ニンニク………………………………………………2片
干ししいたけ…………………………………………2枚
鷹の爪…………………………………………………2本
醤油……………………………………………………730ml
水………………………………………………………1,000ml
日本酒…………………………………………………360ml
水あめ、オイスターソース、シナモンパウダー…少々


◆作り方


1.エビをよく洗い、下ごしらえをする

車エビは、水でよく洗ってから日本酒(材料外)にしばらく漬けて臭いを取る。その後、殻の上から背中側の中央に切れ目を入れて背ワタを取り、ヒゲや脚は、根本ギリギリのところで切り落としてきれいに整える。


2.コーラに漬けて、殻を柔らかくする

保存容器に[1]を並べ入れ、全体がひたるぐらいまでコーラを注ぎ入れる。そのまま冷蔵庫でひと晩置く。


《技アリな一手!:コーラが殻を柔らかくする!》

「コーラに漬けると、炭酸の作用で殻が柔らかくなるんですよ」と鄭さん。確かに「鶏手羽や豚の角煮にコーラを使って肉を柔らかくする」というレシピもあるので納得。味が甘くなることはないので安心を。



3.漬け汁に使う材料の下ごしらえを行う

長ねぎは1本を3〜4切れに切る。タマネギとリンゴ、レモン1/2個分はくし切りにする。青唐辛子はざく切りにする。ショウガは皮をむかずにまるごと、ニンニクは皮をむいて切らずに、干ししいたけ、鷹の爪はそのまま使う。


4.野菜を素焼きし、漬け汁を煮る

長ねぎとタマネギを油を引いていないフライパンでよく焼いてから大鍋に移し、ニンニク、ショウガ、青唐辛子、鷹の爪、レモン1/2個分、干ししいたけ、リンゴと醤油、水、酒、水あめと共に中火で煮る。沸いてきたら弱火にしてオイスターソース、シナモンパウダーを加え、更に15〜20分煮る。


5.漬け汁に漬け、味を染み込ませる

冷ました[4]に[2]を漬ける。漬け汁が温かい状態だとエビに熱が入ってしまうので、完全に冷ますこと。翌日から食べられるが、3日目くらいがよく味が染み込んでいて美味しい、と鄭さん。


6.彩りよく盛り付ける

盛り付ける際にはレモン1/2個分を輪切りにし、間に挟んで盛り付けるとよい。好みで、小口切りのネギや青唐辛子も添えるとより華やかに。




教えてくれたのは“韓国家庭の味の伝道師”
鄭 壽福シェフ

2009年、新大久保の路地裏に『ホルモン船 ホールちゃん』をオープン。

香川・小豆島「オリーブ牛」、岩手「短角牛」、大分・阿蘇「あか牛」など、鄭さんが扱うのは評判の高い銘柄肉のみ。しかもお店に冷凍庫は置かず、肉はすべて生の状態からオーダーごとにカットというこだわり。

お任せコースは¥10,000〜で、リクエストすればカニ料理も追加可能だ。 お店は完全予約制。特に、初めて訪れる際は1週間前までの予約がベター。

また、西麻布ではカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)が看板メニューの『ケジャンオールスターズ』も展開している。


肉のプロが作る、簡単カツレツの秘密とは?




『アンティカ オステリア カルネヤ 』の高山シェフが“一味違う肉料理”を提案!

ピーナッツバターが味の決め手!「ミルフィーユカツレツ」


神楽坂にある『アンティカ オステリア カルネヤ』。店名にあるカルネ=イタリア語で「肉」。清々しいまでの“肉推し”レストランであり、高山いさ己シェフは、焼肉屋が実家という筋金入り。

そんな“肉サラブレッド”に「難しくなく、かつ今までに見たことのない、高山さんならではの、夏に相応しいお肉料理を教えてください!」と依頼したところ、提案してくれたのがこの「ミルフィーユカツレツ」。

味の秘密はなんとピーナッツバター! パンに塗るものというイメージが強いが、これををお肉料理に使用するという。

ピーナッツバターの特徴は、植物性油脂をたっぷり含んだコク。これが、あっさりとした味わいの豚ロース肉をぐっとリッチに仕上げてくれるのだ。

食べてみると、甘みは不思議と感じず、ナッツならではの香ばしさ、そしてホウレン草の風味が豚肉と絶妙にマッチ。

「合わせる野菜は、ホウレン草のほか、ブロッコリーでも美味しいですよ」とのこと。

また、揚げ焼きするときには、肉とペーストの層が崩れないよう、いじらず焦らず、が成功の要だ。



【材料(1人分)】
豚ロース肉(生姜焼き用)………………………………3枚
塩……………………………………………………………適量(肉の重量の1%目安)
黒こしょう…………………………………………………適量
卵……………………………………………………………1個(卵黄と卵白に分けておく)
ほうれん草…………………………………………………50g
ピーナッツバター(加糖・粒があるものがベター)…80g
生パン粉……………………………………………………適量
オリーブオイル……………………………………………大さじ6
バター………………………………………………………20g


◆作り方


1.まず、豚肉の下ごしらえを行う

豚肉はそれぞれ、片面に塩と黒こしょうをふっておく。


2.ホウレン草のペーストを作る

ホウレン草は、塩を入れた熱湯でクタクタになるまで茹でてから、ミキサーにかけるかペースト状になるまでひたすら刻む。


《技アリな一手!:隠し味にピーナッツバター!》

このほうれん草のペーストにピーナッツバターを混ぜていく。全体がよく混ざったら卵白の半量を入れてさらによく混ぜる。



3.肉とペーストを重ねていく

1枚の肉の上に[2]を1/2量のせ、周囲1cmほどを残して塗り拡げる。2枚目の肉を重ねて[2]を再び1/2量のせ塗り拡げる。最後に3枚目の肉も、ずれないように重ねる。それぞれ、肉の縁には卵白を塗り、しっかり押さえてくっつけると焼いた際にペーストが流れ出ない。加熱すると卵白が固まり、糊の役割を果たしてくれるためだ。


4.重ねた肉に衣をつける

卵黄を少量の水(分量外)で溶いて[3]の表面全体につけてから、生パン粉をまんべんなく、優しくおしつける。


5.オリーブオイルで肉を揚げ焼きする

テフロン加工のフライパンにオリーブオイルを入れて弱火にかけ、オイルが冷たいうちに[4]を入れる。フライパンを少し手前に傾け、[4]の底面がオイルに浸かっている状態を保つ。加熱している間は、スプーンで時々オイルをすくって上面全体になじませるようにかける。


6.肉に火が通っていることを確認し、バターで仕上げる

4分ほど揚げ焼きしたら、フライ返しでひっくり返し、同じように4分を目安に熱する。火が中心までしっかり入っているかを確認するには、爪楊枝を刺してからその先端を唇に当てる。爪楊枝が熱くなっていれば火は通っている。仕上げにバターを投入し、全体にまとわせる。


7.中央で切って盛り付ける

カツレツの中央でカットして、ミルフィーユ状になった肉の断面や挟んだほうれん草のペーストが見えるように盛り付ける。完成写真のように、ソテーした青菜などを添えれば、より華やかに。




教えてくれたのは“肉界のサラブレッド”
『アンティカ オステリア カルネヤ』高山 いさ己シェフ

実家は、浅草の人気焼肉店『冨味屋』。肉と縁の深い環境に育つ。2007年に同店を開店し、肉ラバーからの厚い支持を受ける。

メニューには日本全国から厳選したさまざまな銘柄牛、豚、ジビエetc.が並ぶ。5種類の炭火焼きステーキの盛り合わせ「CARNEYAオールスターズ」など、肉好きのツボをつくメニューが満載だ。

2017年には煮干しパスタ専門店『sisi煮干啖』をオープン。その支店が近頃「虎ノ門横丁」に開店し、こちらも話題!




家でも気軽にできて、しかし味は本格派という逸品揃い! ぜひ、作ってみて欲しい!

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ぜひ、この機会に料理上手への道を邁進してみてはいかがだろう!