23日に行なわれたイベントでの様子。子どもたちも笑顔で参加した。 写真提供:ROOTS.実行委員会

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 横浜F・マリノスのユース出身をルーツにもつ選手が、「ROOTS.」というプロジェクトを発足させた。

 発起人の森谷賢太郎(愛媛FC)をはじめ、長谷川アーリアジャスール(名古屋グランパスエイト)、田代真一、武田英二郎(ともに横浜FC)、山岸純平(法政大学体育会サッカー部出身)、齋藤陽介(元横浜F・マリノス)の6名が、サッカーやスポーツを通して、「何かできることはないか」という思いから発足したプロジェクトだ。

 すでに企画は始動している。6月15日(月)、17日(水)、23日(火)には、オンラインによるトークイベント「ROOTS.TalkSessionVol.1」を開催。小学5年生、6年生で構成されているサッカーチームの選手たちと貴重な交流の場を設け、好きな食べ物やプロになるための秘訣など多岐にわたるテーマを語り合った。

 彼らはなぜ同プロジェクトを発足させたのか? 23日のイベント終了後に田代と武田の両選手に話を聞いた。

 現在、共に横浜FCに在籍する二人だが、元々はジュニアユース時代から横浜F・マリノスの下部組織での同期。プライベートでも仲が良く、前々から何かできればいいと考えていたという。

「僕らはユースの頃からの仲間で、常に連絡も取るような間柄だったんです。そういうなかで、この中断期間を受けて、森谷が『俺たちに何かできることってないかな』という話を持ってきてくれた。それで僕らも一緒にやろうということがキッカケでした。あとは今までお世話になった人たちへの恩返しだったり、自分たちがアクションを起こすことで喜んでくれる人たちのために何かしたいと思いました」(武田)

「武田がほとんど言ってしまったんですけど……(笑)。でも、僕たちが楽しくやることで、一緒に動く方たちもプロジェクトを作っていきやすいとは思っています。なので、自分たちと皆さんが一緒に楽しめる機会を作っていけたらと思って賛同しました」(田代)
 
 ただ、簡単なことばかりではない。過去3回のトークイベントを通し、数多くの子どもたちと実際に触れ合ってみて、「やっぱり小学生相手なので考えながらやりますね」と語るのは武田だ。

「いま31歳なのですが、その僕が思っていることを僕の言葉で話しても、小学生には伝わらないなと思ってます。そういう伝え方を考えながら話さないといけないというのは難しいですし、どのくらい伝わってるのかなと考えながらやっています」

 頭を悩ませながらでも、企画をやる意義はある。3回のイベントで刺激を受けたという二人は、このプロジェクトを成功させることの重要性を次のように説く。

「やっぱりサッカーってワクワクするんだぞってことは、企画を通して一番伝えたい。親御さんが与えてくれている環境にも感謝しつつなんですけど、子どもには純粋な気持ちで楽しんでもらいたいというのは言いたいですね」(田代)

「やっぱり小学生がプロと接する機会ってなかなかない。だから、子どもたちは僕らが普段何を考えているのかはめちゃくちゃ知りたいと思うんです。僕もメッシやロナウドが何を考えているのかは気になるんで。なので、ちょっとでも子どもたちの意識や考え方が変わってくれたら嬉しいですね」(武田)

 プロ選手だからこそ発信することの重要性を訴えた両選手は、最後に今後の活動への意欲も語ってくれた。

「僕らのベースはしっかりと試合で結果を残すことにある。そこがブレないようにしつつ、皆さんと少しでも近くにという場所を作っていければなと思います」(田代)

「まず根底として楽しむことは大事にしたいです。プロサッカー選手としての活動はぶらさずに参加してくれる人たちを楽しませたい。あとはちょっとでも自分たちに貢献できることがあれば、積極的にやっていきたいです」(武田)

 今後は、指導者やサッカーに携わる方、さらにファン・サポーターにも楽しんでもらえるようなコンテンツを企画・発信していく予定だという「ROOTS.」プロジェクト。熱き想いを持つ彼らの今後の動きに注目だ。

取材・文●羽澄凜太郎