リモート応援システム導入の経緯について柳原本部長に訊いた。※写真は取材時のスクリーンショット

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 この度、サッカーダイジェストもその一員となっている「DAZN Jリーグ推進委員会」では、「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE - 」と称して、各クラブの幹部やスタッフにインタビューを実施した。ジュビロ磐田では、「リモート応援システム」の導入を進めた事業戦略本部の柳原弘味本部長に、開発の裏話などを伺った

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――事業戦略本部はどんな仕事をしているのですか?

「事業戦略本部の下に企画部と広報部があります、企画部は文字通り色々な企画をして、広報はそれを広めていく。そういう戦略を考えていく部署です」

――リモート応援システム発案のきっかけは?

「まずうちの株主でありスポンサーでもあるヤマハ株式会社さんが『SoundUD』というシステムを開発しました。例えば、東京オリンピックで日本に来た海外の人が、電車のアナウンスを聞いたら、自分の言語で文字化されて、端末で見られるとか、そういうことができるシステムです。

 昨年の11月にそれをジュビロのアプリに組み込んで、スタジアムへのシャトルバスの音を拾い、そのバスを使った人だけにドリンクのクーポンが当たるというような実証実験をやりました。そのヤマハさんのシステムを活かして、元々は病気や高齢などが理由で、スタジアムに来られないファン・サポーターの方が、アプリを使って声援を届けられるようにしようと開発を始めていたのがリモート応援システムでした。今回たまたまコロナで観客が入れない流れになっていたので、本格導入を進めることにしたんです」

――苦労した点は?

「苦労というよりも、一番大事なのが、何のためにやるかなんですね。応援は何のためにあるかと考えたら、もちろん勝利の後押しをするためにじゃないですか。だから、選手にとって本当に良いものになっているかどうかを、もっとも気を付けました。選手に違和感があって、プレーに集中できないとか、邪魔になるようなことがあっては本末転倒ですから」
 
――アスルクラロ沼津戦でテストしましたが、選手の反応は?

「ネガティブな意見はなく、おおむね好評でした。キックオフの45分前から音を入れ出したんですが、上原力也選手が『ロッカールームにいる時に声が聞こえて、モチベーションが上がった』とコメントしていました。それを聞いて、スピーカーの音でも選手には大切なんだと、気付かされましたね。

 当日はDAZNを見ながら、どのぐらいの音で出るのか、スタジアムでは実際にどんな感じで聞こえるのか、選手にとってうるさくないのか、近隣に迷惑がかかるような音になっていないか、そういったところをチェックしていました」

――ジュビロでは7月5日のホームの岡山戦から活用する?

「そうですね。他にも実施するクラブはヤマハさんと直接契約を結んでやることになりました。再開日の6月27日から、実施するクラブもあると思います」
――コロナ禍で苦しんでいるスポンサーさんも多いのでは?

「そうですね。これはうちだけじゃないと思いますが……。そんな状況ですので、スポンサーや地域の方々にジュビロを利用してもらおうと思いました。それで『ジュビロをつかおう!』を合言葉に、うちのホームページで地域の飲食店やスポンサーを紹介しているんです。皆さんに普段からお世話になってるので、こういう時だからこそ、ジュビロが少しでもお役に立ちたいと。うちのサイトは、この地域の中ではトップクラスのアクセスがあるので」

――クラブとしての“ウィズコロナ”への取り組みは?

「特効薬やワクチンができない限りは、インフルエンザのようにはいかないので、大事なのは、選手はもちろんスタッフからも絶対に感染者を出ないようにするという意識で生活をしていかないといけないということです。もちろん、経済活動を止めてはいけないので、スタジアムの運営もまず安全安心をきちんと担保しながら、いかに皆さんに満足していただけるようにするかが今後の取り組みになってくると思っています。