群馬県明和町職員が購入した明和咖哩のギフトセット。5食分と福神漬け2袋が入って税込み3千円。単品価格より500円安い

写真拡大

 群馬県明和町で今月発売されたご当地カレー「明和咖哩(かりー)」をめぐり、町職員に役職ごとの購入ノルマが示され、140人が3300食分を購入していたことがわかった。

 正職員は131人で、臨時職員も購入したという。町は「強制ではない」と説明するが、ある職員は「ノルマを下回ればボーナスから天引きだと上司に言われ、逆らえなかった」と明かす。

 カレーは、町と民間が出資するまちづくり会社「邑楽館林まちづくり」(同町)が2万食を製造。1食ずつ箱入りで、町内のアンテナショップと、交流のある三重県明和町で半数ずつ販売する。2018年秋に三重側の町制60周年と群馬側の町制20周年の記念品として関係者に配って好評だったため、一般販売を始めた。三重側の特産の松阪牛と群馬側特産の梨果汁入りが特徴で、1食あたり税込み700円。

 町などによると、購入ノルマの発端は5月28日、町から出向中のまちづくり会社の室長が町の課長12人全員に送った一斉メールだった。「職員販売目標数」と題した添付資料に、課長の場合は「単品50箱3万5千円」か「5箱入り10セット(1セット3千円)3万円」などと示され、町長から係長まで役職ごとに目標数が印字されていた。主任・主事については「単品10箱7千円」か「5箱入り2セット6千円」と手書きだった。

 冨塚基輔町長が今月1日の庁議で「私は25セット(7万5千円)買うので、みなさんも買ってほしい」と課長らに呼びかけた。これを受け、課ごとに注文書を取りまとめ、役場で一括注文することになった。ただ、ある課は注文した職員の大半が購入ノルマに満たないとして突き返され、購入数と金額を2〜8倍に書き換えて注文書を再提出すると認められたという。

 まちづくり会社によると、ノルマの対象外だった臨時職員を含む140人が660セット(3300箱、198万円分)を購入。「ほとんどの正職員にご購入いただいた」としている。

 職員の1人は「注文書にノルマを下回る購入数を書いたら『ボーナスから天引きだぞ。買わないと損だよ』と上司に言われた。拒めば査定に響くし、昇進できなくなると思い、従うしかなかった」と話す。

 購入ノルマを示したメールについて、まちづくり会社の室長は「会社として独断でやったこと」と説明。冨塚町長は「季節物以外に特産のない町に名産品をつくりたい一心で取り組んできた。職員が一丸となって盛り上げていこうと思っていた。強制したつもりは全くないが、それを圧力と受け取られたとしたら申し訳なかった」と話している。(長田寿夫)