ここぞという勝負強さに定評ある伊藤は、巻き返しを図るチームを様々な面で下支えする。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ダブルボランチの一角が最終ラインに落ちて、後方から手数をかけてパスをつなぎ、ボールを前に運んでいく。6月24日の練習後、オンライン取材に応じた伊藤翔は、今季から本格的に取り組むビルドアップについて「徐々にできてきてはいる」と手応えを口にしたうえで、「こればっかりは相手もいることだし、試合が始まってみないと、っていうのはある」と展望する。

 ザーゴ新体制の下、新たな戦術にトライしているなかで、では最前線でスタンバイする自身の役割を、伊藤本人はどう捉えているのか。

「このサッカーのCFは、(前線に)張っているだけではダメ。上手く“間”に落ちて、サイドハーフとスペースを共有しながら、ビルドアップをやっていかなければならない」

 自らの立ち位置を下げ、中盤と連係しながら攻撃のセットアップに参加する。一方で、「ビルドアップが上手くいったうえで、最後の3分の1をどうしようかという課題が出てくる」という。ストライカーの伊藤にとり、最も重要なタスクはゴールを決めること。相手ゴール前で脅威を与える存在になるために、これまで以上にアグレッシブに動き回る必要がある。

「ビルドアップに参加して、ゴール前に間に合わないということがないように、(最後の3分の1で)迫力を出すためには、スプリントを繰り返すっていうことじゃないですかね」

 7月4日のリーグ再開(アウェー川崎戦)に向け、自身のコンディションは「悪くないし、(川崎戦まで)上げていける感じはある」と話す。高い決定力に加え、鋭い裏への抜け出しや献身的なハイプレスなど、精力的かつ効果的なランニングも持ち味とする伊藤のフル回転の働きが、巻き返しを図るチームを様々な面で下支えする。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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