公式戦さながらの激しい試合となった今治対愛媛の練習試合。写真:寺下友徳

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6月20日(土)16:00K.O
練習試合(45分×3本) 会場:夢スタ(無観客・報道陣限定公開)
今治2ー0愛媛(1−0・1−1・0−0)
【得点】
今治:1本目22分:桑島良汰、2本目42分:大野秀和 
愛媛:2本目34分:藤本佳希

 J2再開・J3開幕を1週間後に控えた6月20日(土)、昨年JFL3位で今季J3初参戦となるFC今治が、同じ愛媛県内のJ2・愛媛FCをホーム・ありがとうサービス.夢スタジアムに迎え練習試合(45分×3本)を開催。2対1で勝利し、前年J2・FC岐阜とのアウェー開幕戦へ向け上々の仕上がりを披露した。
 
 2月2日(日)に「えひめサッカーフェスティバル2020」と銘打ち、約4000人が詰め掛けた前回対戦(0−0)と打って変わり、今回は報道陣限定の無観客試合。しかし今治イレブンは、1本目から3本目まで「練習中からコンペティテイブ(スペイン語で「プロのメンタリティ」の意)を発揮し、チーム全体が勝負にこだわって取り組んでいる」(MF大野秀和)成果をピッチ上で存分に表現した。

 試合開始10分ぐらいまでは、前回対戦と同様に愛媛のプレッシングに押し込まれたものの、「しっかりとした守備でオーガナイズし、ミスを突いて得点する」(DF園田拓也)という戦術のベースとなる球際の激しさで徐々にリズムを掴むと、1本目22分にはFW桑島良汰が愛媛DFラインへのチェイシングからGKとの1対1を冷静に沈め先制点をゲットした。

 2本目34分にコーナーキックからの混戦を愛媛FW藤本佳希に押し込まれ同点とされた後も、そのコンセプトは崩さず。42分にはGK岡田慎司のロングフィードにアイコンタクトで反応した大野が相手GKのミスを突き、無人のゴールへシュートを決めた。

 小学生時代はキッズFCで「多くの刺激を受けている」という鎌田大地(フランクフルト)の3年後輩だった大野。昨シーズンに公式戦出場ゼロに終わった悔しさをぶつけた今季“初ゴール”は、「レギュラーも控えもないモチベーションを常に植え付ける」というスペインの闘将・リュイス監督に応える勝ち越し弾となった。

「クラブ全体の力で100%に近い状態になっている」と発言した指揮官は、1週間後のJ3初航海への確かな手応えを感じているようだ。
 
 対する愛媛は従前の3−4−2−1システムではなく、ここ最近「中断期間中に選手個々の面で新しい発見もあったし、相手に対応できる形を考えていく」(川井健太監督)なかでチャレンジしている4−3−3を採用した。​​​​​​
 
 ただし2本目途中まで引き気味の3トップ中央に入った横谷繁が「もっとボールを受けったかった」と振り返ったように、特に1本目では今治の守備網を崩し切れず。「フィジカル面で90分間闘う上で有意義なテストマッチ」と指揮官が評した収穫と同時に課題も少なくなかった。

 とりわけ、失点場面に象徴される「ビルドアップ時におけるリズム」(DF前野貴徳)も、再開初戦となる徳島ヴォルティスとの四国ダービーを前に、可及的速やかに克服すべき課題となっている。
 
 かくして近未来に到達すべき上位ディビジョン、そして同県のライバルである愛媛に収穫多き白星を収めた今治。前回対戦から明らかに増した局面での激しさとゴールへの執念は評価に値する。これを自信に、開幕戦では前年までJ2を戦った岐阜に対しても臆せず向かっていくはずだ。

取材・文●寺下友徳(フリーライター)