河井前法相本人は「不正なことはしていない」と容疑を否認(C)日刊ゲンダイ

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 妻の河井案里容疑者(46)を昨年の参院選で当選させるために、94人に2570万円もの現金を配り、買収容疑で逮捕された前法相の河井克行容疑者(57)。参院選の初日にもカネを配っていたというから露骨だ。

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 それにしても94人に2570万円とは、過去に例のない規模である。しかも、克行容疑者自ら配り歩いていた。発覚する可能性が高く、普通は怖くてやれない。なんと、克行容疑者は自分の選挙でも買収していた疑いがあるという。産経新聞(20日付)が<河井前法相 初当選時も買収か>と報じている。初当選した1996年の衆院選の時も、地元議員らに現金を配っていた疑惑があるという。過去の「成功体験」から、妻の参院選の時も買収に手を染めた可能性がある。

■大胆で手慣れたカネの配り方

 実際、カネの渡し方は、初めてとは思えないほど大胆で手慣れている。

 現金を手渡すと短時間で立ち去るケースがほとんどだった。相手に断る間を与えないためか、さっさとクルマに乗り込むこともあったという。ある地方議員は、トイレにいた時、背後から突然、スーツの右ポケットに白い封筒を差し込まれたそうだ。克行容疑者は初対面の県議にも30万円を渡している。

 カネを受け取った地方議員は「国会議員に恥をかかせるわけにはいかない」と漏らしている。相手が突き返せないのを計算してカネを渡していた可能性が高い。

 政治評論家の有馬晴海氏はこう言う。

「河井前法相は、県議と市議に片っ端からカネを配っています。恐らく、票の取りまとめを期待しただけでなく、地方議員がライバル陣営を支援しないよう“足止め”の効果を狙ったのでしょう。参院選は、定数2の選挙区に、現職だった溝手顕正さんと案里容疑者の2人の自民党候補が出馬した。自民党の市議と県議が溝手さんの応援に回らないようにするだけでも、案里陣営には十分だったはずです。結果的に溝手さんは3位で落選し、案里容疑者が2位で当選しています。その意味では、河井前法相は効果的にカネを配ったということになります」

 克行容疑者・案里容疑者夫妻が、大がかりにカネをバラまいたのは、人が寄り付かず、カネの力に頼るしかなかったという事情もあったようだ。

「克行容疑者の秘書に対するパワハラは有名でした。これまでに秘書50人が辞めたとか、いや辞めたのは100人以上だなどといわれている。経験豊富なスタッフはほとんどおらず、選挙のノウハウも蓄積されなかったようです」(地元関係者)

 こんな人物を法の番人に任命した安倍首相の見識が問われる。

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 その克行容疑者が、東京地検特捜部の調べに、地元議員らへの現金提供を認める供述をしていることが分かった。22日の読売新聞が報じた。

 克行容疑者はその一方で、妻の案里容疑者への票の取りまとめなどを依頼する趣旨ではなかったと買収容疑を否認。また、案里容疑者と共謀して投票や票の取りまとめを依頼し、報酬として170万円を提供したとされる容疑についても「自分は知らなかった」と否認しているという。

 だが、22日の毎日新聞によれば、克行容疑者が管理していたパソコンに残されていた現金提供先のリストには、克行容疑者が案里容疑者に現金提供を指示し、案里容疑者が提供した後に克行容疑者に報告していたことを示す記載があったという。共謀についても言い逃れはできない。

■河井逮捕は安倍首相に責任75%

 そして世間は、河井事件イコール安倍事件と思っている。

 共同通信が20、21日に実施した世論調査。内閣支持率は前回5月末から2・7ポイント減の36・7%だった。不支持率は同4・2ポイント増の49・7%。調査手法が異なるものの、支持率は2017年7月に記録した第2次安倍政権で最低の35・8%に次ぐ低い数字だ。

 公選法違反(買収)容疑で逮捕された前法相の河井克行容疑者と参院議員の案里容疑者については「議員辞職すべき」が90・4%。自民党総裁の安倍首相に「大いに責任がある」が34・8%、「ある程度責任がある」が41・1%で計75・9%に達した。

 次の首相にふさわしい人は石破茂元自民党幹事長が23・6%でトップ。安倍首相は14・2%で10ポイント近くの差がついた。5月上旬の安倍首相15・5%、石破12・7%から逆転した。