ケニアの村で、地面から飛び立つバッタの大群(2020年1月22日撮影、資料写真)。(c)TONY KARUMBA / AFP

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【AFP=時事】深刻な蝗害(こうがい)に見舞われた東アフリカ地域では、新たに数十億匹ものバッタがふ化するとみられ、バッタ襲来の第3波に備えている。豪雨や新型コロナウイルスの流行により同地域はすでに打撃を受けており、さらに食料供給まで脅かされる事態となっている。

 東アフリカでは2019年後半以降、記録的な数のバッタが襲来。バッタの繁殖に適した気象条件が重なったことで拍車が掛かった。殺虫剤を用いて一斉に駆除作業が実施されたものの、新たな大群が飛び立とうとしている。

 国際救済委員会(International Rescue Committee)は今月、報告書を発表。「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ北東部から東アフリカにかけて、数万ヘクタールの耕地や牧草地がすでに被害を受けたとし、小規模な群れでも1日におよそ3万5000人分に相当する食料を食べ尽くし得ると指摘した。

 東アフリカ地域の経済共同体「政府間開発機構(IGAD)」が6月に発表した報告書によると、エチオピアでは今年1〜4月、130万ヘクタールの牧草地と20万ヘクタール近い耕地が蝗害に見舞われ、穀物35万トンが失われた。

 だが、新型ウイルスの流行が現地調査の妨げとなり、バッタの襲来の第1波と第2波に対応するこの暫定推計には、被害の全体像が十分に捉えられていない。

 IGADの気象監視プログラムであるICPACのケネス・ムワンギ(Kenneth Mwangi)氏は、「さらに数字を手に入れるまでは、耕地が最も被害を受けたのは、間違いなくエチオピアだということしか言えない。次いでソマリアだ」と語った。

 ケニアではここ数か月、豪雨と洪水が相次いで多数の死者が出たが、ソマリアでも2月に蝗害が発生し、すでに「国家非常事態」が宣言されている。

 これまでのところ、東アフリカ地域に隣接するタンザニアやルワンダ、ブルンジはバッタの被害を免れているものの、バッタは数十億匹から成る巨大な群れを形成し、1日に150キロ移動することができる。

■4000億匹を駆除

 ただ世界銀行(World Bank)は5月、飢餓に脆弱(ぜいじゃく)な東アフリカの国々への蝗害対策支援として5億ドル(約530億円)規模のプログラムを承認。

 3か月ごとに20倍も数を増加させることができるというバッタを一掃する一助となるべく、2月以降は殺虫剤の散布作戦が展開されている。

 国連食糧農業機関(FAO)の専門家であり、ナイロビを拠点とするシリル・フェランド(Cyril Ferrand)氏は、「1月から3月半ばにかけて、同地域の約40万ヘクタールが制御下に置かれた。われわれは、バッタ4000億匹が駆除されたと推定している」と指摘。

「とりわけソマリアなど、一部地域にはアクセスできないため全体数は推定できないが、その数が大幅に減ったことは分かっている」と語った。

【翻訳編集】AFPBB News

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