Apple Watchの転倒検出機能、ハシゴから落ちた92歳男性を救う
KETV

Apple Watch Series 4以降には転倒検出機能が備わっていますが、これにより92歳の男性が一命を取り留めたとのニュースが報じられています。

米ネブラスカ州のメディアKETVによると、現地で農業を営むジム・サルスマンさんは先月「ハトから穀物箱を守るため」に21フィート(約6.4m)のハシゴを登ったとのこと。そのとき突風が吹き、ハシゴを2フィート(60cm)動かすまで安定していたものの、やはり落下してしまいました。

地面に叩きつけられたサルスマンさんは数百フィート離れて駐車されていたトラックに向かって転がろうとしたが、それもかなわず。そこでApple WatchのSiriを使おうと思いつき「ヘイSiri、ジム・サルスマンが農場で大けがをしたんだ」と語りかけたとのことです。

そうした音声コマンドをSirが聞き届けたかはさておき、本人が気づかないうちにApple Watchの転倒検出機能が働き、すでに現地の消防署に緊急通報を送っていました。署員らはそれに応答し、GPSを使ってサルスマンさんを見つけたと伝えられています。

Apple Watchの転倒検出機能は、内蔵センサーで着用者の転倒を検知し、その後1分間なんの動作も認められない場合は緊急通用サービスに連絡します。さらに登録された緊急連絡先(親族など)に着用者の位置情報を添えてメッセージを送信するといった動作を行います。すなわち上記でいう「GPS」も、おそらくApple Watchが送信した位置情報と思われます。

病院に運び込まれたサルスマンさんは股関節やその他の骨折の治療を受け、1ヶ月後の記事執筆時点ではリハビリテーション施設で回復中です。ご本人は「もしこの時計を持っていなかったら、誰かが私を見つける前に死んでいたと思います」としてApple Watchに感謝を述べています。

かつて転倒検出機能は崖から転落して背中を骨折した男性や、失神して倒れた男性の正確な位置をファーストレスポンダー(救急隊に引き継ぐまで応急手当に当たる非医療従事者)に伝えて、命を救っていました。ただし本機能は標準ではオフになっており、Apple Watchの設定時やヘルスケアAppで年齢を設定し、なおかつ65歳以上の場合のみ自動的に有効になります。それ以外の場合は、iPhoneのWatchアプリから手動で有効にしてやる必要があります。

5月に配信されたiOS 13.5ではメディカルID(自分の医療情報を登録できる)の機能も向上し、対応地域では緊急通報した際に医療データが自動で共有されるようになりました。もしもうわさ通り日本でもECG(心電図)機能が提供されたなら、Apple Watchはますます頼もしい命綱となりそうです。

Source:KETV

Via:9to5Mac