3歳馬のダート重賞、GIIIユニコーンS(東京・ダート1600m)が6月21日に行なわれる。7月に開催される地方交流GIのジャパンダートダービー(大井・ダート2000m)の前哨戦といった感もあるが、このレースの勝ち馬がのちに古馬のダートGI戦線で活躍することが多く、ダート界の”出世レース”として注目度の高い一戦である。

 過去10年の結果を見てみると、1番人気は3勝、2着3回、着外4回と及第点。さらに、勝ち馬はすべて3番人気以内で、極端な高額配当は期待できないように思える。しかし、3連単では好配当が何度となく生まれており、2014年には22万770円、2015年には10万770円といった高配当が飛び出している。

 そうなると、穴党にも十分に楽しめる一戦と言えるが、今年はどんなレース展開になりそうなのか。スポーツ報知の坂本達洋記者はこう語る。

「今年は、ハイペースとなることが濃厚。消耗戦の末、差し馬の台頭があるのでは? と見ています」

 坂本記者がそう予測するのは、デビュー2連勝中で、人気の一角と見られるレッチェバロック(牝3歳)の存在があるからだ。

「レッチェバロックは、抜群のスピードを生かした逃げ切り勝ちで2戦とも圧勝してきました。そして、同馬を管理する藤沢和雄調教師は、『(レッチェバロックは)トレーニングセール出身の馬で(気性が)前向き。最初は1400m(の距離)もどうかな? と心配していたけど、競馬を覚えてきたので、マイルくらいまで(の距離)は大丈夫でしょう』とコメント。今回も、持ち前のスピードで勝負する構えで、ハナを奪いにいくのは間違いありません。

 ただ、サンライズホープ(牡3歳)やオーロラテソーロ(牡3歳)など、前に行きたい馬は他にもいます。とすれば、先行争いが激しくなるのは必至ですから、決め手がある馬や、終(しま)いでしぶとい脚を使える馬の、一発を期待したいところです」(坂本記者)


ユニコーンSでの一発が期待されるアポロアベリア

 そこで、坂本記者が狙うのは、アポロアベリア(牡3歳)だ。この春、同馬が所属していた山内研二厩舎は、同調教師の定年によって解散。今回は、武藤善則厩舎に転厩してからの初戦となる。

「アポロアベリアは2月に3戦と、タフなローテーションをこなしてきましたが、勝った前走の1勝クラス(2月29日/中山・ダート1800m)では、3角過ぎから動いて、長くいい脚を使って差し切りました。武藤調教師も、『きついローテで使われていたけど、あそこで勝ったことは評価できる。力強い動きをしていて、先々はオープンまでいけるような馬』と、同馬の能力の高さに期待していました。

 骨瑠(こつりゅう)が出なければ、父アポロソニックと同じくGII青葉賞からGI日本ダービーへ、というプランもあったようで、陣営の評価はとにかく高いです。

 今回は、およそ3カ月半ぶりのレースとなりますが、連戦の疲れを放牧でしっかりとリフレッシュ。状態はかなりよさそうです。主戦場としてきた1800m戦からマイル戦への距離短縮がカギになりますが、タフなスタミナ比べの展開となるなら、問題はないでしょう。長く脚を使えるのは東京向きですから、大駆けがあっても驚けませんよ」

 一方、中日スポーツの大野英樹記者も、決め手のある馬を推す。

「メイショウベンガル(牡3歳)です。芝のレースで大敗が続いていましたが、7戦目となる前走の1勝クラス(5月31日/京都・ダート1400m)で初めてダート戦に出走。これが、正解でした。

 ゲートで躓いてリズムを崩しながらも、じわじわと好位に取り付くと、直線では早め先頭から一気に突き抜けていきました。最終的には2着馬に7馬身差をつける圧勝。力の違いを存分に見せつけました。

 良馬場で叩き出した勝ち時計は1分24秒4。前日の古馬2勝クラスの勝ち時計が1分24秒3。わずかコンマ1秒差ですから、時計的にも十分に評価できます。最後は余裕を残しての勝利だっただけに、まだまだ奥がありそうです。

 父は、府中のダートで圧巻のパフォーマンスを披露したクロフネ。馬体ががっちり目で、調教でも攻め駆けするタイプですから、ダート替わりで本領発揮となったことは頷けます。

 派手な勝ち方を見せながらも、1勝クラスとあって、ここでは人気の盲点といった存在になりそう。ダートでは底を見せていませんし、重賞でも楽しみな逸材です」

 大野記者はもう1頭、推奨馬を挙げる。鋭い決め手を武器にして、2連勝中のサトノラファール(牡3歳)だ。

「3走前の1勝クラス・呉竹賞(1月25日/中山・ダート1800m)では11着。不器用さがもろに出ての大敗でした。

 跳びが大きく、ゆったりと走る馬だけに、現状ではワンターンのコースでこその馬。それは、ここ2走(1400m戦)の連勝劇からも明らかです。3走前の大敗が嫌われて人気が落ち着くようなら、馬券的な妙味は増すと思いますよ」 次週は、上半期の総決算となるGI宝塚記念(6月28日/阪神・芝2200m)が行なわれる。できれば、ユニコーンSでその資金稼ぎをしたいところ。ここに挙げた3頭が、その手助けをしてくれる可能性は大いにある。