検察庁法改正問題や新型コロナ対策迷走で支持率がガタ落ちで大ピンチに陥っている安倍政権。これまで安倍長期政権を支える要となってきた自民党の二階俊博幹事長が「安倍おろしに動き始めたのでは」という情報が飛び交い始め、永田町界隈は一気にキナ臭さが漂い出した。

 全国紙政治部記者が分析する。

「党内外がザワつきだした発端は、6月8日の二階幹事長の言動です。この日、二階幹事長は石破茂元幹事長と会談し、9月予定の石破派パーティーに講師として出席する約束を交わしたとして激震が走った。というのも、二階幹事長はこれまで石破氏と反りが合わず、どちらかといえば反石破だった。その夜の会見で、記者が二階幹事長に講師受諾理由を尋ねると、二階幹事長は『石破氏は期待の星の1人だ』と持ち上げた。この話が安倍官邸に伝わると、『二階氏が安倍おろしに本気で動き出した』と一斉にブルったというのです」

 二階氏の反官邸的言動はこの後も続く。

 下村博文・選挙対策委員長が会長で、稲田朋美・幹事長代行が幹事長の布陣での『新たな国家ビジョンを考える議員連盟』が国会議員184名を集め、11日に発足した。

「ここにも、二階幹事長が出席し挨拶した。議連を率いる下村、稲田両氏は首相の出身派閥で党内最大の細田派に所属し、2人とも安倍側近と言われてきた。一方で首相が『次のポスト安倍は岸田文雄政調会長』と示唆しているのは、自民党内では周知の事実。だが、下村氏らは安倍首相の意向を熟知したうえで、ポスト安倍狙いの議連を発足させた。陰で二階幹事長が暗躍、細田派を分断し、政権を揺さぶろうとしているという怪情報が流れているのです」(自民党幹部)

 二階幹事長の3つ目の隠密行動は、いまだに国民世論に影響力を及ぼしている小泉純一郎元首相らとの会食だ。6月9日夜、恒例となっている小泉政権時代の同窓会が都内赤坂の日本料亭『津やま』で開かれた。そこにも二階幹事長が姿を見せたのだ。

「二階氏にすれば、公然と安倍政治の批判を展開する小泉元首相と会食することでタッグを組み、安倍包囲網形成をアピールする狙いがあったのでしょう」(自民党議員)

 二階幹事長が大胆な反安倍行動に打って出ている本音はどこにあるのか。自民党幹事長周辺関係者はこう解説する。

「幹事長続投へのデモンストレーションだ。二階幹事長は2017年の総選挙で、表だけで約14億円のカネを自在に扱った。かつて自民党幹事長だった小沢一郎氏は1990年の総選挙で300億円をかき集めて、不利とみられていた総選挙に勝利した。自民党幹事長のカネと権力は絶大。二階幹事長は今年9月に師と仰ぐ田中角栄元首相の自民党幹事長の最長歴を超える。また、親中派の二階幹事長にすれば、コロナ禍で無期限延期の習近平国家主席訪日を幹事長として実現させて勇退したい悲願もある。だから今は幹事長を降りたくないはず」

 6月に入ると、安倍首相は政権で最も信頼している麻生副総理と1日、10日に会談している。危険水域に近づきつつある支持率を一気に回復し、今後の政局を乗り切る方策を麻生副総理と相談したと見られている。国会開会中の過密スケジュールを縫っての密談といえば、解散のタイミングと内閣改造・党人事刷新の相談しかないだろう。

「安倍首相は岸田政調会長へ総理・総裁の座を禅譲したいのに、出身派閥の細田派内で公然と下村、稲田両氏が反岸田で動き出した。これには安倍首相も頭を痛めている」(同)

 先の安倍・麻生会談で浮上したとされるのが、公認権を一手に握る解散総選挙。公認欲しさに党総裁には誰も逆らえなくなる。まずは6月17日の国会会期末をにらみ、7月5日投開票の東京都知事選とのダブル選挙を模索したという。しかし、コロナが終息しない中でのダブル選挙は「党利党略のみで支持されない」として意見が一致したようだ。