夏の函館開催が先週からスタート。2週目となる今週、GIII函館スプリントS(6月21日/函館・芝1200m)が行なわれる。

 競馬ファンの多くが想像するとおり、小回りの芝1200m戦、しかも夏競馬の重賞ゆえ、”荒れる”傾向が強いレースだ。象徴的なのは、2015年。4番人気のティーハーフが勝利し、2着に14番人気のアースソニック、3着に12番人気のレンイングランドが突っ込んで、3連単は94万4140円という高配当となった。

 その前年も、8番人気のガルボが金星を挙げて、2着に6番人気のローブティサージュ、3着に4番人気のクリスマスが入って、3連単は87万2270円という高額配当をつけている。

 そうした過去があると、今年も穴馬券で勝負してみたくなる。そこで、過去10年の結果を参考にして、今回のレースで台頭しそうな伏兵馬を探し出してみたい。

 まず期待したいのは、実績豊富なベテランの大駆け。具体的には、JRAでの重賞勝ち、あるいはオープン特別を複数勝っている実績がある、6歳以上の馬の一発だ。

 というのも、こうしたタイプが過去にもしばしば穴を開けているからだ。いい例となるのは、2013年に6番人気で勝ったパドトロワ(重賞2勝、オープン2勝)に、先述した2014年の覇者ガルボ(重賞3勝)、2015年に2着となったアースソニック(重賞1勝)もそう。さらに、2017年に7番人気で3着に入ったエポワス(オープン2勝)も、これに当てはまる。

 これらは、実績は十分ながら、歳を重ねて成績が低迷していたり、単純に上がり目を見込めなかったりして、人気にならなかったケースが多い。ともあれ、実績が示すとおり、底力は秘めている。ピークは過ぎていたとしても、舞台設定やその時の調子次第では、一発の可能性は十分にあったわけだ。

 今年の出走馬からこうしたタイプを探してみると、2頭の馬に目が留まった。ダイメイフジ(牡6歳)とティーハーフ(牡10歳)である。

 どちらも経験豊富なベテランであり、重賞やオープン特別で何度も結果を出してきた。ダイメイフジは、芝のオープン特別で2勝、ダートのオープン特別でも1勝を挙げている。スプリント重賞でも2度、3着と好走している。

 ここ最近は4戦連続でダート戦に臨んでおり、今回は久しぶりの芝レースとなる。そうしたこともあって、上位人気は見込めないが、ダート戦とはいえ、3走前には勝利を飾っており、実力は維持している。そもそもムラがあるタイプゆえ、その日の気分次第で大駆けがあっても不思議ではない。


5年前に制した函館スプリントSでの大駆けが期待されるティーハーフ

 片や、大ベテランのティーハーフは、2015年にこのレースを制覇。そのほか、スプリントのオープン特別を2勝している。

 しかしながら、10歳馬のベテランに対する評価は厳しい。勝ち星からもおよそ2年間遠ざかっており、伏兵の域を出ないが、前走ではGI高松宮記念(3月29日/中京・芝1200m)に出走。8着に敗れたとはいえ、勝ち馬からはコンマ4秒差と、差のない競馬を見せている。以前制したレースで、驚くべき復活劇を披露してもおかしくない。

 次に注意したいのが、条件戦を勝ち上がってきたばかりの馬である。先に触れたティーハーフは、2015年にこのレースを制した際、1000万下(現2勝クラス)、1600万下(現3勝クラス)を勝って、続く函館スプリントSで見事に重賞初制覇をやってのけた。

 このパターンにあやかって、今年も条件戦を勝ち上がってきたばかりの馬を狙ってみたい。候補となるのは、アリンナ(牝6歳)、ジョーマンデリン(牝4歳)、スイープセレリタス(牝4歳)の3頭である。

 ただ、ティーハーフはスプリント戦を主戦場にしてきたことから、ここでは同様のタイプである、アリンナとジョーマンデリンの2頭を推したい。

 アリンナは、前々走の3勝クラス・船橋S(3月31日/中山・芝1200m)で3着、前走の3勝クラス・バーデンバーデンC(5月3日/福島・芝1200m)を勝ってオープン入り。その2戦とも人気薄だったゆえ、ここでも評価が上がることはないだろうが、今の勢いは見逃せない。

 さらに、3歳時にはオープン特別の葵S(京都・芝1200m)を圧勝。地力があることは間違いなく、上り調子のまま、一発かます可能性は十分にある。

 一方、ジョーマンデリンは、アリンナ以上に魅力的な存在。というのも、函館巧者だからである。

 これまで、函館では4戦3勝、2着1回とオール連対。前走も、函館開幕週の先週、3勝クラスのUHB杯(6月14日/函館・芝1200m)を快勝したばかりだ。

 過去においても、函館巧者の激走は何度か見られている。

 2012年には、函館で2勝の実績を持つビスカヤ(11番人気)が、条件馬の身でありながら3着に飛び込んできた。2017年に7番人気で3着と好走したエポワスも、函館では5戦1勝、2着3回、着外1回(前年の函館スプリントSで5着)と相性がよかった。

 こうした例から、ジョーマンデリンには注視したい。連闘のうえ、オープン入り初戦とあって、低評価にとどまるだろうが、2週連続の快走を見せても驚けない。 かつて、名スプリンターたちが激戦を繰り広げてきた函館の名物重賞。はたして、今年はどんな結末が待っているのか。波乱が起こるとすれば、ここに挙げた4頭がひと役買うことは十分にあり得る。