北朝鮮のミサイル攻撃を想定した地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画について、河野太郎防衛相はおととい15日(2020年6月)、「停止する」と突然発表した。イージス・アショアは攻撃ミサイルを打ち落とすため、陸上から迎撃ミサイルを発射する施設だが、その際にブースターと呼ばれる部品が演習場外に落下する可能性があり、改修に2000億円以上かかるというのが停止の理由だ。

安倍首相もきのう16日、「地元のみなさまに説明してきた前提が違った以上、これ以上進めるわけにはいかないと判断しました」と説明した。

イージス・アショアをめぐっては、これまでも調査データの間違いや住民説明会での防衛省職員の居眠りなど、地元の不信感が募っていた。配備が予定されていた秋田市の穂積志市長は、「振り回された不毛な2年半でした」と吐き捨てるように語った。山口・むつみ演習場の周辺住民も、「あれだけ説明会を何回もして、今こういう状態になるのは不思議でたまらない」と話していた。

すでにアメリカに1787億円の開発費支払い

イージス・アショアの開発費用として、日本はアメリカへ1787億円を支払い済みだ。河野防衛相は「導入予定だったレーダーやミサイルは、イージス艦などに利用していく」としている。海上自衛隊の元海将の伊藤俊幸氏は「(ブースターの落下に関して)日本側からアメリカに改修を依頼したところ、想定以上にお金がかかるということがわかりました。どんどんお金がかかっていくので、河野大臣はこれで正しいのかと精査し、その結果の判断だと思います」と解説した。

司会の小倉智昭「アメリカの言ったものを『はい、買います、買います』ということばかりじゃ、国民は納得いきませんね」

共同通信編集委員の磐村和哉氏「北朝鮮は、昨年から不規則な軌道を描くミサイルを撃ち始めました。これは、イージス・アショアなどでは対応できません。そうした北朝鮮側の開発事情も考慮されたのではないでしょうか」

北朝鮮のミサイルが落下してくるときに、ブースターの心配などしている場合ではないはずだが、はじめに停止判断があり、そのための理由としてブースター不備が持ち出されたということだろう。