古山音(二階堂ふみ)に歌唱を指導し、裕一(窪田正孝)が作曲した「船頭可愛や」を歌って大ヒットにしてくれた世界的なオペラ歌手の双浦環(柴咲コウ)には、若き日に恋人との悲しい別れがあった。

環はスカラ座やオペラ座の舞台に立つことを夢見てパリ留学の日々、ホームパーティーで画家を目指す今村嗣人(金子ノブアキ)と出会った。今村は天才画家と評価され、フランスの画壇でも期待されていた。二人はたちまち恋に落ちた。

ある日、外交官の娘である友人の里子(近衛はな)がアパートメントを訪ねてきて、プッチーニが日本を舞台にしたオペラを作曲して、日本女性役を探しているという話を持ち込んだ。

里子は「日本人女性とアメリカ人海軍士官の恋物語なんだって。タイトルは『蝶々夫人』。日本人が世界的舞台に立てる唯一にして最大のチャンスよ」とけしかける。

「歌手をやめてほしい。君が失敗することを願っている」と幼い嗣人

今村は個展を開くが、新聞で酷評されてしまう。一方、環は「蝶々夫人」のオーディションを受け、とうとうプリマドンナに選ばれた。「合格したの。私、オペラハウスに立つの」

今村「君と俺の何が違うんだ。たった1年で君は最高峰の舞台。俺は街角のカフェで小さな個展。俺は、いったい...」。環への嫉妬は強まるばかりで、「歌手をやめてほしい。『蝶々夫人』も失敗することを願っている」とまで言う。

環はアパートメントを飛び出した。「私は嗣人のために生きるのではなく、光り輝く世界で活躍したい」。今村のもとを去った環は、パリ・オペラ座の成功に続いて、アメリカのニューヨーク公演も高く評価され、世界から賞賛された。

(NHK総合あさ8時)