北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)最高指導者(36)の妹、金与正(キムヨジョン)氏(31)が韓国に向けて過激な発言を連発している。

きっかけとなった事件は5月31日(2020年)、脱北者の団体が韓国から北朝鮮に向けて金正恩氏を批判するビラを風船につけて飛ばしたこと。

与正氏は6月13日に出した談話で「今や連続的な行動で報復しなければいけない。韓国と決別するときがきた。遠くない時期に(2018年に北朝鮮の開城工業地区に設置した)南北共同連絡事務所が跡形もなく崩れる悲惨な光景を見るだろう。裏切り者とクズ連中は絶対に許さない。クズはゴミ箱に捨てなければならない」と激しい非難を行った。発言を受け、韓国軍は最前線で監視体制を強化している。

経済制裁緩和を求めたいが、米国を挑発するのは危険と判断?

与正氏は朝鮮労働党の第一副部長。正恩氏の後継者ともいわれ、今年に入ってからは外交の第一線に出て、正恩氏が一歩下がる場面が見られるようになった。果たして報復は行われるのか。

李相哲龍谷大学教授は「必ずやると思う。単に爆破するだけではなくガレキも戦車で踏み潰す可能性もある」と語る。

バルーンメッセージは過去に何度も飛ばされたことがあるが、今回はなぜここまで猛烈に反発するのか。李教授は「経済制裁で八方塞がり。その焦りがある」と推測する。東海大学の金慶珠教授も「新型コロナの影響で中朝貿易がストップし、人民の不満を韓国に向けさせるため」と、経済問題を原因に挙げている。

キャスターのカズレーザー「クズっていうのは言い過ぎじゃないですかね」

小倉智昭キャスター「南北首脳が手を携えて国境を越えたのはついこの間(2018年4月27日)だった」

金慶珠教授「我々が考えているより経済が深刻なのではないか。北朝鮮は韓国の文在寅(ムンジェイン)政権に経済制裁解除を要求している。韓国はすぐに解除すると言っておきながら何も解除しない。アメリカがすぐに解除するとは思えないので、まずは韓国を挑発している」

三浦瑠麗(国際政治学者)「今の韓国政権は新北派で、軍事的挑発をしても大きな戦争に発展する可能性は小さい。何かを引き出すための脅しという可能性が高い。与正氏のカリスマ性を強化する目標もあると思う」

金慶珠教授「正恩氏が前に出ると何らかの進展があったときに収まりがつかなくなる。与正氏が突き上げなど過激な役割を担い、進展があったら正恩氏がまとめるという前代未聞の兄妹二人三脚」

山田秀雄弁護士「韓国が手を結ぼうとしている時に、妹を使って恫喝するのは賢いやり方とは思えない。アメリカが動くとも思えない」

金慶珠教授「今年は朝鮮労働党75周年だから何か成果を示さないといけないが、アメリカを挑発するのは恐ろしい。一方韓国の文政権もかなり強気で、アメリカがNOといったとしても、単独での経済制裁解除を目指している」

文・みっちゃん