喫茶「バンブー」の二人、梶取保(野間口徹)と妻の梶取恵(仲里依紗)の出会いにもドラマがあった。10年ほど前、保は家業の神田の古本屋を営んでいた。保は人付き合いが苦手、外にも出たがらない。そんなところに、珍しく若い女性客が入ってきた。棚から落ちた一冊の本を見て、「アッ、これ『吾輩は猫である』の初版だ」と叫ぶ。

保「奥付を見ないで、表を見ただけで、なんでわかるの?」

女性客は「夏目漱石の『吾輩は猫である』は、上中下に分かれています。中と下は、表紙に書いていますが、上だけは表紙に何も書かれていません。私、二宮恵です」

気持ちを伝えられない保に「彼女逃がしちゃうよ」――背中を押した少年。次は後の...

その日以来、恵は毎週木曜日に通ってくるようになり、保は待ちわびるようになった。ところが、3か月たっても二人の仲は進展しない。常連客の喫茶店マスター、木下一(井上順)が、親戚の子を連れて店に来ていた。実は、その子は幼い佐藤久志(山口太幹)だった。

久志「あなたは、これまでずっとごまかしていた。彼女のことが好きだけど、傷つくのが嫌。ある本に書いてありました。自分を変えられるのは、行動しかない」。幼い久志にズバリ言われて、保は恵が店に来た時にはコーヒーを入れるようになった。

恵「保さんのコーヒーおいしい」

それでも自分の気持ちを伝えられない保に、久志が恋のアドバイスを叱咤した。「彼女、このまま月に行ってしまいます。行動するなら今しかない。行動すれば、すべてが変わります」

保は意を決してプロポーズした。「ぼくと結婚してください」。喫茶店の店名「バンブー」も、この時のエピソードにちなんだものだった。

(NHK総合あさ8時)