春のGIシリーズがひと区切り。これからは、秋の大舞台へ向けての、新たな戦いが始まる。

 関西では牝馬の重賞、GIIIマーメイドS(6月14日/阪神・芝2000m)が行なわれる。過去にはディアデラマドレやマリアライトなどが、ここでの好走をステップにして、秋の重賞戦線での飛躍につなげた。

 とはいえ、GIシリーズ後の開催とあって、一線級の馬が出走することは少ない。そのうえ、ハンデ戦のため、例年”大荒れ”の傾向にある。

 過去10年の結果を見ても、6番人気以上の伏兵馬が5勝。2着には8回も入っている。おかげで、3連単はすべて万馬券。10万円超えの高額配当になったことが、7回もあるのだ。

 そのうち、2011年は2番人気のフミノイマージンが勝利するも、7番人気のブロードストリートが2着、13番人気のアースシンボルが3着に突っ込んできて42万5710円、昨年も7番人気のサラスが勝って、10番人気のレッドランディーニが2着、5番人気のスカーレットカラーが3着に入って39万1310円という高配当をつけている。

 となると、今年も穴狙いに徹するべきだろう。そこで、過去10年の結果を参考にして、今回のレースでオイシイ配当をもたらしてくれそうな伏兵馬を探し出してみたい。

 まず、波乱のパターンで最も多いのは、軽量ハンデの条件馬の台頭。さらに絞ると、前走で1000万下(現2勝クラス)を勝ったばかりの馬の激走が目立つ。

 2012年に7番人気で2着に入ったクリスマスキャロル、2014年に13番人気で2着となったコスモバルバラ、2017年に6番人気で3着入線を果たしたアースライズ、2019年に10番人気で2着と好走したレッドランディーニらがいい例だ。

 それぞれ、前走で勝っているとはいえ、オープンクラスからふたつもクラスが下のレース。その分、人気を得るまでには至らなかったが、下級条件でもレースを勝ってきた勢いと、軽ハンデを生かして、上位争いに食い込んだ。

 今年、この条件に当てはまるのは、オスカールビー(牝5歳)だ。

 同馬は、前走で2勝クラスの御室特別(5月24日/京都・芝2000m)を逃げ切り勝ちしてここに挑むが、その勝利はあくまでも下級条件でのもの。なおかつ、同レースでも7番人気と伏兵扱いだったため、重賞の舞台ではさすがに人気は望めない。

 それでも、ハンデは49圈再び先手をとってスムーズな競馬ができれば、粘り込みがあっても不思議ではない。

 軽量の条件馬については、さらに手広く狙ってみたい。2勝クラスを勝ったばかりの馬に限らず、さまざまなタイプが好走しているからだ。

 その例を挙げると、2012年に10番人気で3着と健闘したメルヴェイユドール、2015年に8番人気で勝利を飾ったシャトーブランシュ、2016年に7番人気で2着となったヒルノマテーラ、2018年に10番人気で金星を挙げたアンドリエッテ、2019年に7番人気で勝ったサラスなど、枚挙にいとまがない。

 そして今年も、軽量の条件馬が数多く参戦するが、先に挙げた過去の好走馬の戦績をたどると、どの馬もマーメイドSが初めての重賞出走ではなかった。要するに、それ以前にも重賞に挑戦した経験があって、陣営がそれだけ期待する存在であることが、好走への条件となる。

 では、今回出走予定の条件馬はどうか。エアジーン(牝4歳)、マルシュロレーヌ(牝4歳)、リンディーホップ(牝5歳)の3頭に、重賞出走歴があった。

 当然、これら3頭は侮れないが、改めて過去の好走馬を見てみると、ほとんどの馬が前走で掲示板(5着以内)に載っていた。この条件を満たす馬となると、2頭に絞られた。

 エアジーンとリンディーホップである。

 エアジーンは、3走前に2勝クラスを勝ち上がると、以降も3勝クラスで2着、3着。安定した走りを見せており、52圓侶撻魯鵐任鮴犬せば、重賞のここでも上位争いに加わってもおかしくない。

 リンディーホップは、昨夏に2勝クラスを勝ち上がり、4走前には3勝クラスでも3着と善戦している。その後は、7着、8着、5着と振るわないが、どのレースも勝ち馬から1秒以内と大きく負けていない。これまでのレースから、一気に5垳困箸覆觀撻魯鵐如50圈砲鮴犬し、うまく流れに乗れれば、チャンスが巡ってくる可能性は大いにある。

 最後に取り上げたいのは、オープンや重賞戦線でコンスタントに走っているものの、近走がパッとしないため、人気薄にとどまった馬たち。なかでも、6、7歳のベテランに狙いを絞ってみたい。

 というのも、こうしたベテラン馬たちの好走例がしばしば見られるからだ。たとえば、14番人気で2着と激走した2010年のセラフィックロンプ、13番人気で3着に食い込んだ2011年のアースシンボル、10番人気で2着と好走した2013年のアグネスワルツ、10番人気で3着と奮闘した2015年のパワースポットである。しかも、4頭とも10番人気以上の大穴だ。

 ならば、今年も近走の成績は度外視して、低迷中のベテランを思い切って狙ってみてはどうだろうか。


マーメイドSでの大駆けが期待されるレイホーロマンス

 今回、このタイプで面白いのは、レイホーロマンス(牝7歳)だ。

 前走のオープン特別・メトロポリタンS(5月9日/東京・芝2400m)では、11着と惨敗。2017年の年末に勝って以降、勝ち星からも遠ざかっているため、なかなか買いの材料が見つからない。

 しかしながら、4走前のGIII愛知杯(1月18日/小倉・芝2000m)では3着。重賞で戦える力は備えている。3走前のGIII小倉大賞典(2月23日/小倉・芝1800m)でも4着、2走前のGIII中山牝馬S(3月14日/中山・芝1800m)でも5着と、善戦を繰り返している。

 前走の惨敗によって、評価が一段と落ちるようなら、格好の狙い目。過去の例に続くような、ベテラン牝馬の大激走に期待したい。 春のGIシリーズでホクホクになった人は別として、悔しい思いをしてきた方々は”荒れる”この一戦で、大きな夢を賭けてみてはどうだろう。その手助けをしてくれる馬が、ここに挙げた4頭の中にいるかもしれない。