今季開幕戦では、古巣の浦和を相手に1ゴールを決めた山田。再開後のパフォーマンスにも注目が集まる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

 新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い、リーグが中断するなか、クラブや選手は会員制交流サイト=SNSを駆使し、手洗い動画といった啓蒙活動や選手の素顔が垣間見られる動画をファン・サポーターにむけ、発信した。

 そうしたなか、本職以外で知られざる才能を見せた選手もいた。例えば、大分トリニータMF島川俊郎は自身の「インスタグラム」で電子ピアノを演奏しながら自慢の声を披露し、大きな反響を呼んだ。

 島川が音楽なら、湘南ベルマーレMF山田直輝はマジック。自身のニックネームを冠した名づけて『やーまんマジック』だ。

「明日使える やーまんマジック」

 タイトルコールとともに始まるマジックはコイン、カード、つまようじ、ボールとスティックを使った瞬間移動系が主体だ。フォロワーからは「普通にすげぇ」と驚きの声が上がるとともに、京都サンガF.C.所属で浦和レッズ時代の同僚FW李忠成からは「面白いなー最高」とコメントがあった。また『よくみたなーこのマジック』という懐かしさが感じられる反応もあった。

 マジックを始めた理由を山田は「(中断期間に)自分のインスタグラムで投稿するものがなくなったので、『なにかみんなが楽しめるものはないかな?』と考えた時、『そういえば、マジックが好きだし、できるな』と思ったので始めた」と話した。また謙遜なのか、ハッシュタグには「#プロサッカー選手がやる素人マジック」とされているが、見るとなかなか堂に入っており、決して付け焼刃ではない。

 それもそのはず。マジック自体を始めたのは中学1年のとき。マジックをやっていた友人に「やってみる?」と誘われたのがキッカケで、もともと勘が良かったのか、教えてもらううち、できるようになった。

「実際、マジックをやってみたら、友人が『いいね』って褒めてくれて。できるとやっぱり嬉しい。ちょっとイヤミになりますけど、並みのことならできちゃうんですよね、僕(笑)」

 昔取った杵柄。マジック好きが高じて、プロになってからは試合遠征の移動中や食事会の合間に目の前にあるモノを使いながら、チームメイト、スタッフに見せるようになった。
「やーまんマジック」は見せるだけではない。種明かしを紹介するのが特徴だ。

「マジックを見せると純粋に子どもたちはみんな驚いてくれる。親御さんや大人の方が見て覚えてくれれば、きっと子どもたちは喜んでくれるはず」

 子どもに見せ、大人に伝える。これが「やーまんマジック」。
「いろいろ魅了していかないとね」と笑った。

 J1再開に向け、湘南はハードなトレーニングを実施中。完全非公開ながら対外試合を行ない、コンディションを上げている。

 6月8日の全体練習後に開かれたビデオ会議システム『Zoom』による会見では、コンディションについて「練習試合をしてみて、身体の出来上がり具合、ボールの感覚、チームの流れに合わせたプレーに関して、僕はまだまだ。数字にすると40%くらい。でも、のびしろはある。(リーグ再開日に向け)ピークを持っていきたい。連戦になると思うのでケガをしないようにしたい」と抱負を語った。

 リーグ再開予定日の7月4日は山田の30歳の誕生日。節目となる試合で公式戦2戦連続得点となるバースデーゴール。そしてゴールパフォーマンスでの「やーまんマジック」はあるか?

「それはさすがに恥ずかしいです」(山田)

 手ではなく、培った足技と運動量で掛け値なしの「やーまんマジック」をピッチで魅せる。

取材・文●佐藤亮太(レッズプレス!!)