アメリカ・ミネアポリスで、取り押さえた黒人男性を死なせたとして第2級殺人に問われている白人の元警察官、デレク・ショービン被告の勾留公判が8日(2020年6月)にミネソタ州裁判所で開かれ、保釈は認められたが、保釈金は日本円で約1億3500万円と高額だった。ショービン被告は手錠姿でビデオ出廷した。

アメリカの警察ドラマなどには、悪徳警官や警察の黒人差別がしばしば描かれ、今回の暴行殺人と重なるが、火曜コメンテーターのロバート・キャンベル(東京大名誉教授)は、決して誇張ではないと解説した。

「ニューヨークを例にしますと、警察の組合が莫大なお金を政治家に投入して、選挙資金を実際に出して圧力団体を作っているわけです。そして、バッドコップ(悪徳警官)の不正行為を公開しない法律を作るとか、そういうことをずっとやってきたんです」

たまたま乱暴な警官がいたのではなく組織ぐるみの犯罪

今回の暴行殺人も、たまたま乱暴な警察官がいたということではなく、警察組織そのものに、不正を見逃す、差別や迫害を当たり前とする体質があるというわけだ。

キャンベル「こうした警察に対する不満が(市民の間に)溜まっていて、警察の中には市民は敵であるという意識が醸成しているのです。そして、誰が敵にされるかというと、圧倒的に有色人種、ヒスパニックの人、とくに黒人男性なんです」

こうした警察組織そのものが問題だとする主張は、地元のミネアポリス市議会にも強く、9人の市議が「いまの警察を解体して、新しいモデルを作ろう」と声明を出した。アメリカの政治・外交に詳しい上智大の前嶋和弘教授は、「これまでも拘束するときは、必ずカメラで撮影するようにするなど、改革はやってきているのですが、そうしたテクニカルな改革だけでなく、根本的に警察組織を変えようという大きな動きが出てきそうです」と話した。

トランプ大統領は抗議活動を「極左テロ」「無政府主義者」と非難しているが、警察組織や白人優位主義はトランプ氏の強力な支持基盤の一つだ。軍隊まで出動させて抗議活動を抑え込もうとしたのは、そのためだろう。秋の大統領選挙は、警察改革が大きな争点になる。

カズキ