なにかと批判される森保監督だが、かつてオフトジャパンでともにプレーした福田は「応援している」という。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 2018年のロシア・ワールドカップでベスト16入りを果たし、4年後のワールドカップではさらなる躍進を遂げるのか。そう期待しているサッカーファンは少なくないだろう。しかし、元日本代表の福田正博は「ここから日本代表が上がれるかは大変な話。相当努力をしてきて、もしかすると今後、劇的なレベルアップは望めないかもしれない。知恵を絞らないと」と語る。

 福田曰く、弱点を強みに変えようとする努力は好ましくない。

「日本人である以上、日本のアイデンティティを大事にしたほうがいい。要するに、重要なのは日本人の良さを出すこと。(ヴァイッド・)ハリルホジッチさんのやり方がマッチしていないと思ったのは、日本人にないものを追求したから。なによりフィジカルの強さを求めるのは、日本代表に適していない。アフリカ人のチームならまだしも、日本代表ではやる意味がないと思う。

ある意味付け焼刃な戦術で勝っても意味がない。日本人には日本人の良さがあって、そこをとことん突き詰めればいい。育成も含めてね。(アルベルト・)ザッケローニさんは、そういう意識でチームを作っていたように思う。(14年のブラジル・)ワールドカップでグループリーグ敗退に終わったからそこまで高く評価されていないけど、(パス重視の戦術という)方向性は悪くなかった」

 福田は「個人的な見解だけど」と断ったうえで、「勝ちことだけじゃなく、勝ち方も重要」と主張した。そんな考えに至った背景には、ハンス・オフト監督の存在がある。かつて日本代表でオフト監督に師事した福田はそこで「日本の良さ、自分の特長に気づかされた」。

「(当時日本よりフィジカルに優れている)韓国との試合に臨む際、オフトは相手の良いところ、悪いところ、日本の良いところ、良くないところ、そういうものを総合的に考えて、組織力でボールを動かす戦い方に行き着いている。韓国に負けないためにどうすべきか、彼は分かっていたんだ」

 結果、オフト時代、韓国とは3回戦って無敗。「十分やれる」という手応えを福田は掴んでいた。

「成功すると自信になる。日本人が一番得意なところで勝負する。それができれば、びくびくしないで済む。オフト時代に一緒にやってきた森保(一)が日本代表監督としてなにかと批判されているけど、彼は日本人の良さを理解して、アプローチしていると思う。だから、全面的に応援している」
 
 決して森保監督と親しいからそう言っているわけではない。

「広島で優勝した時、たしかカードが一番少なかった。ファウルが多いほうが勝つみたいな理屈があるよね。ずる賢く戦わないとダメだとか。確かにそうかもしれないけど、正直、日本人の気質には合わない。これまでの文化を振り返っても。狡賢くではなく、賢く戦えれば理想だ。知恵を振り絞るということは、賢く戦うことでもあるはずだから。その点、森保は指揮官として日本人の大切なところを見ている。重要なのはフィジカルで勝つことではなくて、サッカーで勝つこと。(ロシア・ワールドカップでも)ベルギー戦でフィジカル勝負に持ち込まれた途端、日本は脆くなったよね。ああいう戦い方に持ち込ませない。そういう戦略を練るうえで、ベースとなるのは日本人らしさ。だから、そこをとことん突き詰めるべきなんだ」

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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