今季から千葉に加入したチャン・ミンギュ。さらなる成長が期待される。(C)SOCCER DIGEST

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 今季からユン・ジョンファン監督が就任し、再スタートを切った千葉。シーズン初の公式戦となったちばぎんカップ(2月9日)では、昨季は期限付き移籍(名古屋から)で今季は完全移籍した新井一耀とCBを誰が組むのか注目されたが、その座を射止めたのは、母国・韓国の韓陽大学を中退して加入した新戦力のチャン・ミンギュだった。

 そのちばぎんカップでは若さが裏目に出た面もあり、柏の強力な攻撃陣に翻弄され、新井一との連係ミスや個での対応ミスが失点につながって0-2の敗戦。

 しかし、J2の開幕スタメンにもチャン・ミンギュは抜擢された。琉球と対戦した開幕戦では1分に米倉恒貴が先制点を奪ったものの、その後は琉球の攻撃に粘り強く耐える展開。だが、チャン・ミンギュは持ち前のヘディングの強さで琉球の攻撃を撥ね返し、千葉が後半の途中から5バックに変更すると、中央にポジションを移して1-0の無失点勝利に貢献した。
 
 21歳の新鋭CBは、母国のスターであるユン・ジョンファン監督の下、日本でプロキャリアの一歩目を踏み出した。経験は浅いが、ピッチでは物怖じすることなく味方をコーチングし、指揮官が求めるハードワークを実践する。

 伸び伸びとしたプレーの陰には、沖縄キャンプで同部屋だった下平匠、韓国語を少し話せる安田理大など先輩のさりげないサポートがあり、チャン・ミンギュはそれらに感謝の言葉を述べる。
 開幕戦勝利という幸先のいいスタートを切った千葉だが、新型コロナウイルスの影響でJリーグの公式戦開催は中断・延期となった。だが、チャン・ミンギュは全体トレーニングが中止となる前、試合ができないという初めての経験も前向きに捉えていた。

「いい雰囲気でそのまま試合が続かなかったことに関しては残念だなと思いますけど、うちのチームが持っている短所というか、上手くいっていなかった部分を最大限修正することができる期間だと思うので、その部分については肯定的に捉えています。

 守備の組織的なトレーニングをやっていて、その中で修正を図っているんですけど、そのあとにすぐにトレーニングゲームが入って、そこでまた新たな発見があるので、それでまたトレーニングを繰り返していくという、いいサイクルの習慣ができているのかなと思います」
 
 開幕戦ではまだ課題となっていた新井一との連係についても「お互いにカバーリングを意識しているんですけど、お互いにしっかりカバーできていると思います」と手応えを口にしていた。

 千葉には経験豊富な増嶋竜也、ボランチでもプレーする鳥海晃司、期限付き移籍(大分)から復帰した岡野洵など、CBには手強いライバルが多い。だが、「レベルアップは常にどういう状況であれしたいと考えている」と向上心が旺盛で、技術力や判断力などをさらに磨ける吸収力の高さが光るチャン・ミンギュはまさに伸び盛りの選手だ。

 緊急事態宣言が出ていた時期は、プロのアスリートには困難な制限が多かった。ただ自粛期間についても「(韓国にいる)家族と電話で話したり、ドラマを見たり、おいしいものを食べたりして、いいリフレッシュができています」と笑顔を見せ、来たる6月27日のリーグ戦再開にも準備万端だ。

 千葉は5月30日から全体練習を再開。韓国出身の新鋭CBが今後、日本でどんな輝きを見せるのか、注目したい。

取材・文●赤沼圭子(フリーライター)

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