アーモンドアイGI最多8勝目はならず馬券も外すものの、「アーモンドアイを負かそう」とした強い馬の勝利に納得の安田記念の巻。

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気分が乗ればおうちでも新聞は投げられる!

今週もまた競馬反省の時間です。競馬人生ずっと反省です。どうしてこうギャンブル…というか人生の勝負所に弱いのだろうかとうなだれています。攻めるべきときに仕掛けられず、守るべきときに気が大きくなってしまう。結局は人生への向き合い方がミクロ化されて競馬の負け方にも出ているのでしょう。

今週の中央競馬では芝1600メートルで争われるGI・安田記念が行なわれました。注目は史上最多となる芝GI8勝目を狙う現役最強馬アーモンドアイ。中2週前にはヴィクトリアマイルを「持ったまま」で圧勝し、はるか上に突き抜けた存在としてここにまわってきました。もちろん本命二重丸をグリグリッと打ちます。

相手本線はコチラも有力馬インディチャンプ。昨年は1600メートルのGIを連覇し、この距離ならばアーモンドアイにも勝ち負けまであるかという一頭。実際に昨年はアーモンドアイを退けて勝ちました。対抗の丸印をグリッと打ちます。そして世間の大体がこの辺で赤ペンを一度止めて考えるのです。「このまま買っても儲からんな…」と。

ここです、ここが人生観です。

ある程度見えている未来に向かって、どうやって勝ち筋を見つけるか。自分の予想を信じ、払い戻しが少ないなら元金を増やして勝負に出るか(1点勝負100万円コース)。あるいは自分の予想を投げ捨てて、もっと都合のよい未来…アーモンドアイが負ける展開に金を張るか(穴予想に鞍替えコース)。はたまた予想は予想として、より複雑な買い目を選択することで払い戻しを増やすか(3連単で的中狙いコース)。それとも自分の予想は尊重しつつも、こんなギャンブルに本気になどなれぬと堅実な道を歩むか(ワイドで少額購入、当たれば満足コース)。

このほかにもさまざまな無限の道があるなかで僕が最終的にすがったのは「前例」でした。つい先週の日本ダービーで、大本命コントレイル、対抗サリオスと誰でもわかる1・2着がそのまま入線したのに、3着の買い目を絞ったことで3連単を外してしまったという反省から、「今週はアーモンドアイ⇒インディチャンプ⇒残り全部に流し」で3連単を取ってやろうと思ってしまったのです。「先週それで失敗した」という反省が、ふわふわっとした買い目に僕を導いたのです。

↓買った時点では「今週はどれが3着にきても安心だ」と思ってウキウキしています!

↓その結果、「1着別の馬⇒アーモンドアイ⇒インディチャンプ」となってハズレました!

のおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

ぬああああああああああああああああああ!



「おうちで競馬場」と言えば聞こえはいいですが、まるで競馬場でそうするときのように手にしたスポーツ新聞をテレビに叩きつけて僕はハァハァしていました。それは外れた悔しさということではなく(ハズレるのはいつものことだし…)、自分の人生観に対する情けなさのようなものだったと思います。

長年の研究の結果、自分の買い方は「予想は本命ガチガチ、ただし金は賭けられない」だとわかっているのです。大穴に無駄金を投じる気にはならないけれど、本命予想で儲かるほどの元金も出せない。要するに「勝負にいかない」が人生観であると自覚はしているのです。100円賭けて200円にするとか、ローリスクローリターンな生き様が性根に合っているのだと。

先週はもっと張っていれば当たっていましたが、自分の予想に従った買い目で外したこと自体については「仕方ない」と納得もできました。それが今週は「先週の反省」という想いで本来の姿勢を曲げ、手を広げて無駄に買い目を増やし、なおかつスコーンと外したのです。らしからぬことをして負けを拡大させてしまったことへの情けなさや怒りがふつふつとたぎります。「自分、3連単買わないタイプなのに」「買わないから当てたこともないのに」「何故自分のスタイルで買わないのだ」…そんな怒りが。

落ちた新聞に目を落とせば、勝ったグランアレグリアの欄には、2走前のGII阪神カップのところに丸をつけて「切れスゴ!」とメモがしてあります。買い目にはしっかりと残してありましたし(まぁ全部買ってるんだけど)、気持ち的にはかなり上位にも置いていました。アーモンドアイが二重丸であることは変わらなかったでしょうが、いつも通りに馬連中心に絞り込んだ数頭に流していれば十分拾えた買い目でした。「自分本来の競馬をしないで負けた」とアスリートの無念みたいなものがわいてくる負けでした。外したこと以上に残念です。

↓だって、競馬専門グリーンチャンネルでは「グランアレグリアは太い太い」って言ってたんだもん!

「牝馬だからちょっと舐めてしまった」
「アーモンドアイも牝馬なのに」
「あとパドック解説が迷惑戦犯」
「グリーンチャンネルのパドック解説が」
「いろんな人が出てきては口を揃えて」
「グランアレグリアは身体が大きい、とか」
「+6キロはどうなんでしょう、とか」
「もう少し絞ってもいいのでは、とか」
「微妙にチクチク指摘するので」
「若干影響されてしまった」
「他人に影響されてハズレるのは」

それでもレースとしてはいいものを見ました。アーモンドアイは中2週で本来の切れ味を失っており、やや重めの馬場や出遅れの影響もあって勝ち切ることはできませんでしたが、後方から2着まで上がってくる底力を見せました。インディチャンプもマイル王の面目を保つ走りで3着に食い込みました。そして、強い2頭のさらに前に抜群の上がりで突き抜けたグランアレグリアがいた。誰がミスしたとか、誰がヘマしたとかではない、強い馬同士の戦いをさらに強い馬が制したという名勝負でした。

勝ったグランアレグリアはもともと、アーモンドアイに乗るC.ルメール騎手のお手馬でしたが、前走の高松宮記念の際にルメール騎手がドバイに遠征ということで池添謙一騎手に乗り替わっていました。そして、今回の安田記念も何故かアーモンドアイが急遽参戦するということで、「ルメール騎乗で安田記念狙い」だったはずのグランアレグリアが再び池添騎手に託されました。このあたりは馬主サイドの思惑もいろいろあるでしょうが、「いい馬はルメールを乗せる、ルメールが乗れないときだけほかの人間を便利に使う」というイヤな感じが垣間見えるような動きでもあります。

それでも与えられたチャンスに貴賤はありません。十分に強い馬がいて、十分なチャンスがある。調教師の先生からは「アーモンドアイを負かしにいくレースができないなら乗せない」と言われていたそうですが、見事にそれをやってのけた池添騎手。昨年の有馬記念でも「ルメール騎手がアーモンドアイに乗るから、いつもルメール騎手が乗っていたフィエールマンを池添クン頼むわ」と便利な代打乗り替わりで起用されていましたが、そのレースでアーモンドアイと終始並走し、絶対に負かしてやるぞという騎乗を見せた姿が、半年めぐって結果につながったような気分です。不本意で少ないチャンスであっても全力を尽くし、しっかりとモノにする。こういう人生観だよな、と憧れてしまうようなレースでした!

↓レース中に芝の塊が顔に当たったらしく、顔面ボコられたあとみたいになった勝利ジョッキーインタビュー!

その顔面を冷やす氷を持ってきたのがルメール騎手!

ここで「あーーー、あっち乗っておけばよかったーーー」とかならずに紳士のふるまいができるあたり、ルメール騎手もさすがです!



緊急事態宣言下の日本を大いに楽しませてくれた春競馬の5週連続GIもこれでひと区切り。このあとは月末に春のグランプリ・宝塚記念を行なって春競馬は締めとなります。日本から娯楽が消えた期間に、粛々と運営をつづけ、大きな問題も起きずに駆け抜けてきた競馬界。個人的にも社会的にもとても大きな貢献をしてくれたと思います。

競馬をやっていなければ、3歳牡馬牝馬それぞれで無敗の2冠馬が誕生するという歴史的な出来事も生まれませんでした。アーモンドアイのGI7勝目もありませんでした。改めて「何もやらなければ何も起きない」「何かをやるために人生はある」ということを強く感じます。もう遅いかもしれませんが、「予想は固くて金は張れない」的な自分の人生観のなかでも、もう少し何かをできるように挑戦の気持ちを強く持ちたいなと思いました。どうせ外すなら自分の予想を信じて馬連1点か2点か3点くらいの勝負でドーンと当てるか、ドーンと外す、そんな感じで生きたいものだなと!

少し早いかもしれませんが、競馬をやりつづけてくれたことに感謝です!