大好物であり、ハンドルネームの由来でもある愛する妻の自炊で節約も捗る。スーパーの総菜も値引き商品を狙う

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 もはやキャリアもマネーもノープランで逃げられる時代は終わった。ただひたすら不安を唱えても、待っているのは破滅のみなのだ。そんな新しい時代を生き抜くための「知識」と「戦略」を身につけて、サラリーマンとしての職務を全うしながら、資産構築に励む達人たち。彼らの老後はすでに明るいのか!?

◆徹底的な節約と複利運用で老後の資金不足も解決
▼本業+αで稼ぐサラリーマンの錬金術:妻ごはんさん

 就職氷河期世代の妻ごはんさん(ハンドルネーム・42歳)は、20代をブラック広告代理店で過ごし、辛酸を舐めた経験の持ち主だ。「転職で脱け出しましたが、そこも斜陽産業。安心はできません」と不安を口にする。それだけに老後の資産形成に余念がなく、蓄財の礎は節約にありと力説する。

「普通の会社員が資産を形成するのに節約は不可欠。今どき月1万円の昇給は期待できませんが、1万円節約できれば効果は同じです」

 家賃の安い物件へ引っ越す、格安スマホに乗り換える、保険の見直しなどの固定費削減に加え、iDeCoやつみたてNISA、ふるさと納税といった制度もフル活用。諸々の節約術で年間100万円の家計改善が見込めるという。

「100万円は厳しくても、50万円は貯められるはず。あとはそれを年間5%で複利運用すれば老後2000万円不足問題は解決です」

 とはいえ年率5%の投資商品など、なかなかないのでは?

「デフレに慣れた日本人には利回り5%は非現実的と映りますが、米国株の過去100年間のインフレ調整後の配当込み実質トータルリターンは6.8%。世界に目を向ければ十分実現可能です」

 妻ごはん氏は米国株ETFを毎月20万円を積み立て中。手間も、致命的な損失も少ないインデックス投資こそ会社員に最適と語る。愚直に“入金投資法”を続けた結果、金融資産は5000万円を突破。

「あと数年で目標額に到達する見込みなので、家族との時間を大切にする生活にシフトしたいですね」

 業界の先行きは暗くとも彼の老後は明るいようだ。

◆コツコツ貯めた区分マンションでピンチを乗り切る
▼本業+αで稼ぐサラリーマンの錬金術:芦沢晃さん

 サラリーマン大家さんとして知られる芦沢さん(ペンネーム・61歳)の人生はまさに波瀾万丈だ。バブル崩壊後の不景気により42歳で大手メーカーをリストラされる。不幸は重なるもので、18年にわたる母親の介護も同時に始まった。

「あの頃は介護で生命力の半分を食われた感じでした。あれがなければ、私の会社員としての立ち位置も違っていたかもしれません」

 介護では経済的負担ものしかかる。施設の費用と手術や通院を合わせると、介護支出は最大で月60万円になったこともある。

 人生の難局を芦沢氏が乗り切れたのは、30代半ばからコツコツ買い集めた区分マンションの家賃収入があればこそだった。

「その後の就職先も9年目でリストラされましたが、めげずに電気設備製造業に転身。2年前に定年退職。今は個人技術士業で複数の会社と契約して働いています」

 賃貸業を始めて30年弱、現在は57室を保有し、年間家賃収入3500万円を得るまでに拡大した。

「不動産価格が上がっている23区内は厳しいので、西東京エリアの八王子、立川などを狙っています」

 物件購入はすべて現金で無借金と、盤石な老後を迎えるように見える芦沢氏にも悩みが。

「本来、子供と向き合うべき時期に仕事と介護、大家業に時間を注いだのを反省しています。大学生になった息子に賃貸経営を教えたいのですが、当人はまだまったく興味をもってくれません」

 築いた資産をいかに引き継がせるか。老後の贅沢な悩みだ。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[明るい老後]―