十代の時からずば抜けた才能を見せつけていたロナウド。そんな“怪物”を当時のコーチが振り返った。 (C) Getty Images

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 圧倒的な身体能力と決定力の高さから“フェノーメノ(怪物)”の異名を持つ元ブラジル代表FWロナウド。そのポテンシャルの高さは、ティーンエージャーの時からずば抜けていたようだ。

 その事実を語ったのは、PSVでロナウドを指導した元アシスタントコーチのアーニー・ブランツ氏だ。現地時間6月1日にオランダ・メディア『Voetbal International』のインタビューで、元ブラジル代表FWの凄みを語った。

 ロナウドがPSVにやってきたのは、1994年の夏。ブラジルが制したアメリカ・ワールドカップに17歳でメンバー入りし、その非凡な才能に注目が集まっていた中で、代表の先輩ロマーリオ(当時PSV)のススメもあり、クルゼイロから欧州初上陸を果たしたのである。

 ただ、「PSVで最初にロナウドを見つけたのは私だ」と力説するブランツ氏は、ロナウドが16歳だった1993年時点でスカウトを始めていたことを明かした。

ロナウドを最初に発見したのは私なんだ。ピート・デフィセル(ロマーリオをPSVに連れてきた名スカウト)は常に信頼性と注意することを要求していたが、なぜ彼が1993年の時点でロナウドの獲得をクラブに提示しなかったのかなと思うね。その年に私はブラジルに1か月間ほど滞在して、彼のトレーニングとプレーを何度もチェックし続けた」
 

 ブラジルで原石を見出したオランダの名コーチは、若き日のロナウドのプレーを興奮気味に振り返っている。

「とてもフィジカルが強く、アグレッシブで、信じられないほどの加速力と強烈なシュート、得点能力を持っていた。本当にロナウドは他の惑星からやって来たのかと思ったね。宇宙人のようだったんだ。それですぐに年齢を疑ったよ。16歳にしてはあまりに凄すぎて、ありえないプレーばかりしていたからね」

 PSVで約2年に渡ってプレーして声価を高めたロナウドは、96年にバルセロナに移籍。名将サー・ボビー・ロブソンに「戦術はロナウド」と言わしめる、世界屈指のストライカーに成長したのだった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部