坂口佳穂インタビュー(後編)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、今年の最大イベントであった東京五輪が来年に延期され、ビーチバレーボール界も国内外のツアーは中断中である。FIVBワールドツアーは7月再開を目指し、国内ツアーも9月以降の開幕を予定しているが、いまだ先は見えていない状況にある。そんななか、坂口佳穂(24歳/マイナビ)はすでに気持ちを切り替えて、先を見据えている――。



――スポーツ選手にとって、大変な状況にあります。3月には東京オリンピックの延期も発表されました。その決定を聞いて、どう思いましたか?

「その瞬間は『えー!? こんなこともあるんだ』って感じでした。私たちもそうですが、みんなオリンピックを目標に、すべてのスケジュールを立ててきているので。

 ただ、冷静に受け止めることもできました。今や、どこの国の選手も練習どころではないと思いますが、『私たちのやることは変わらない』と思いましたから。難しい状況ですが、社会があってのビーチバレーですし、選手もそうですが、お客さんがいてこそのスポーツだと思っていますし。

 延期をどう捉えるかは個々の考え方で、私自身は切り替えの早い性格ですから、その決定に対応していきたい。それでも、時間は大切にしたいと思っています」

――昨シーズンは、海外で16大会をこなして、かなりワールドツアーの環境にも慣れたと思います。海外のチームで仲よくなった選手はいますか?

「(言葉の問題もあって)あまり深い話はできませんが、会場でよく一緒に練習するチームや、会えば挨拶する選手は増えました。みんなフレンドリーで、私たちを応援してくれますし、負けても声をかけてくれます。それは、とても素敵なことだなと感じて、私もみんなにそうしたいといつも思っています」

――海外には長くプレーを続けている選手や、自らツアーを主催している選手もいます。坂口選手ご自身は、今後どんな選手になっていきたいと思いますか?

「簡単ではないですが、『ビーチバレーをもっと盛り上げたい』という気持ちは常にあります。面白いスポーツですから、もっとお客さんに来てほしいですし、もっとみんなに広まってほしい。ビーチバレーが盛り上がるように、周りに影響を与えられる選手になりたいと思います」

――年齢がひとつ下の村上礼華選手(23歳/ダイキアクシス)とのチームは、どんな雰囲気ですか? とても仲がよさそうに見えますが。

「仲はいいですよ。礼華とはプレースタイルも、性格も正反対で、それがちょうどいいのかな? 礼華は穏やかな性格で、あまりケンカにはなりませんね。とても話しやすくて、お互い言いたいことを言っています。

 2人とも長女なのですが、礼華は世話が焼ける甘えん坊の『ビッグベイビー』なんです(笑)。コーチにもよく言われていますね。でも、試合前の礼華はコワイ。負けん気が強いので、逆に私がいつも『ハイ! ガンバリマス!』とペコペコしています(笑)」


大好きなお酒を断って、五輪出場を目指す坂口佳穂

――海外を転戦するなかで、美味しい料理や美味しいお酒との出会いはありましたか?

「昨年、イタリアのローマへ行った時に食べたピザは本当に美味しくて、ビックリ! 生地が美味しいんです。今までの人生で食べてきたなかで一番! さすが、ローマでした(笑)。

 あと、マレーシアの大会の時にいったお店の料理も、めっちゃ美味しかったです。マレーシア料理は、タイやインドなど、いろいろな国の料理が混ざっているらしく、お店の名前も『メキシコイタリアン』(笑)。何でも混ぜれば、美味しいんだなぁって思いました(笑)。

 お酒は大好きなのですが、今は禁酒中なんです。東京オリンピックが終わったら飲む予定だったのですが、もう1年我慢ですね……」

――ビーチバレーボール以外で、最近のハマっていることなどはありますか?

「う〜ん……、最近は(女性アイドルグループの)『IZ*ONE』かな。礼華が大好きなんですけど、試合前には2人で『IZ*ONE』のプロモーションビデオを見てテンション上げていました。ツアー中、礼華の気持ちをもっと盛り上げるために、なぜか私が『IZ*ONE』のメンバー全員の名前を覚えさせられたりもして(笑)。人数多いから大変なんですよ……。

 私はカワイイ人を見るのが、チョー大好きなんです。最近注目なのは、女優の今田美桜さん。ほかには、モデルの堀田真由さんとか、女優の黒島結菜さんとかも大好きです。今田美桜さんの写真集は買って、海外の大会にも持っていきました。遠征先で身体のケアをしながら、お気に入りの美桜ちゃんの写真を見て『キャー! カワイイ!!』って叫んでいました(笑)」

(おわり)

坂口佳穂(さかぐち・かほ)
1996年3月25日生まれ。宮崎県出身。武蔵野大卒。身長173cm。血液型A