高名な女性人形師・三橋涼子(大谷直子)の遺体が、自宅兼工房で発見された。死因は後頭部への強い衝撃による脳挫傷で、凶器は現場にあった鉄製の工具。第1発見者は、近所で野球をしていて三橋宅に飛び込んだボールを探しに入った小学生男児。通報したのは、男児のすぐ後に三橋宅を訪ねた学童クラブの指導員・酒井菜々子(篠原ゆき子)だ。

現場に駆けつけた警視庁刑事部特別捜査班主任・浅輪直樹(井ノ原快彦)は、遺体の右手のひらに謎の圧迫痕を見つける。監察医の早瀬川真澄(原沙知絵)は「亡くなる直前に何か握ったんじゃないかな」と言うが、現場にあった人形制作の道具とはどれも一致しなかった。

2つの事件現場にいた謎の女が浮上する

酒井と三橋の関係を調べるうちに、三橋の夫で同じ人形師の貴志(並樹史朗)が14年前に公園の階段から転落死し、その際に酒井が現場に居合わせたことが判明する。小宮山志保(羽田美智子)と村瀬健吾(津田寛治)の事情聴取に、酒井はそれを認めたものの、貴志から「大丈夫」と言われたため、救急車を呼ばずにその場を去ったという。

そんな中、青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は、第1発見者の男児から「事件の数時間前、三橋宅からハーモニカの音が聞こえた」との証言を得た。男児がそれを隠していたのは、酒井が涼子からハーモニカを習っていたことを知っていたからだった。酒井はそのとき三橋宅にいたことを認めた。しかし、一度三橋宅を出て、忘れ物に気づいて戻ったときには、涼子はすでに死んでいたという。酒井が貴志と涼子の両方の死亡現場にいたことが明らかになり、酒井の容疑が深まっていく。

一方、浅輪は現場に残されていた「子供大将」という五月人形が気になっていた。工房にあったほかの人形と違い、紫外線による破損を受けていないなど不審な点があったのだ。人形について地道な捜査を進め、浅輪は14年前の転落事故の裏に隠されていたもう一つの悲劇にたどり着く......。(よる9時放送)

寒山