伊ローマの観光名所コロッセオ(2020年5月31日撮影、資料写真)。(c)Tiziana FABI / AFP

写真拡大

【AFP=時事】イタリアの有名な医師が5月31日、同国には新型コロナウイルスは「もう存在しない」と発言し、批判が集まった。政府は引き続き警戒を呼び掛けている。

 イタリアでは3日から、外国人観光客の入国と、国内の地域間移動が認められる。3か月続いた全国的なロックダウン(都市封鎖)の大きな緩和となることから、政府は再流行防止のため、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)規則の順守と、マスクの着用を求めている。

 一方、同国で最も被害の大きかった北部ロンバルディア(Lombardy)州の州都ミラノ(Milan)にあるサンラファエレ(San Raffaele)病院のアルベルト・ザングリロ(Alberto Zangrillo)院長は5月31日、国営テレビRAIに対し、「実際のところ、新型ウイルスは臨床上はイタリアにはもう存在しない」と明言。

「1〜2か月前に行われた検査と比較すると、過去10日間に行われた検査で検出されたウイルス量は極めて微量だということが分かった」と説明した。

 その上で、「この国を恐怖に陥れたことについて、誰かが責任を取らなければならない」と述べた。

 この発言を受け、他の専門家らは不信の声を上げ、政府は喜ぶのはまだ早いと警告した。

 保健省高官のサンドラ・ザンパ(Sandra Zampa)氏は、「ウイルスが消えたと確信している人々にお願いしたい。その仮説を裏付ける科学的なエビデンスが得られるまでは、国民を混乱させないでほしい」と呼び掛けた。

 国の医療諮問機関のトップ、フランコ・ロカテッリ(Franco Locatelli)氏も、ザングリロ氏の発言に「困惑」を示し、「イタリア国内で新型コロナウイルスが依然流行していることは、日々の新規感染者数を見るだけで分かる」と指摘した。

【翻訳編集】AFPBB News

■関連記事
再封鎖回避のため感染データ改ざん? 専門家の指摘に州当局が猛反発 イタリア
都市から廃村に移住を 伊建築家ら「ポストコロナ」の新生活提案
ベネチアの運河がきれいに 新型コロナで観光客減り