羽生が1位に選ぶ「09年のFC東京」の布陣。MVPには米本、MIPには今野を挙げている。

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 5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に“歴代で最強だと思う3チーム”を選んでもらっている。ここでは、元日本代表の羽生直剛(現FC東京のクラブナビゲーター)の“最強チームトップ3”を紹介しよう。

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「羽生直剛が選ぶ“最強チームトップ3”」
1位:2009年のFC東京
2位:2005年のジェフユナイテッド千葉
3位:1993年のヴェルディ川崎
 
 1、2、3位の順位づけにこだわりはなく、思い入れの強い3チームを選びました。

 09年のFC東京は、その前年(08年)から城福(浩)監督の下でトライしてきた戦い方(ムービングフットボール)でリーグカップを制覇。僕自身もジェフから加入して「何か貢献したい」と思っていたので、このタイトルは嬉しかったです。

 ボールを大事にして後方からの組み立てを起点に崩す。従来の東京とは違う戦術で、相手を意図的に剥がす試みは面白かったです。ともにボールを捌ける今野(泰幸)選手とブルーノ(・クアドロス)選手をセンターバックに置いたのは城福監督なりの腹の括り方で、その意気込みに感銘を受けました。
 
 08年はみんなで楽しくボールに触れながら勝利も目指すスタイルを目指し、そうして積み上げてきたものを大事にしながら09年にタイトルを獲れたところがなにより素晴らしかった。後ろはボールを運ぶためのポジショニングや走り出すタイミング、そういうものを教わりながらやっていくプロセスの中でリーグカップを獲れたのは自信になりました。
 
 MVPは攻守両面で躍動した米本(拓司)選手ですかね。彼を中心に良い時は本当に面白いサッカーができました。後方から丁寧にパスをつなげられたという点で、やはり今野選手とブルーノ選手のセンターバックコンビは大きかったです。このふたりは一緒にやっていて安心感があったし、好きでしたね。

 05年のジェフは、(イビチャ・)オシム監督の(考えて走る)サッカーを体現できたチーム。オシムさんが就任して3年目、組織的によくまとまってきてシーズンを通してポジティブに戦えた記憶があります。その充実ぶりの証がリーグカップ優勝でした。

 ちなみに、このシーズン、僕はあまり活躍していません(苦笑)。ただ、フクアリのこけら落としとなったマリノス戦で、そのスタジアムでのファーストゴールをアシスト。「スタメンで出られたら幸せだな」と思っていた試合で自分の名前を残せたのは良かったです。結果は引き分けでしたが、幸せな気分に浸れたゲームでした。得点者? 僕のコーナーキックからゴールを決めたのは阿部(勇樹)選手でした。

 その阿部選手がこのチームのMVPでしょう。当時の彼は自らグイグイとボールを運んでズドンみたいなシュートも。ボランチなのにリーグ戦で12ゴールは凄いです。万能なプレーヤーで、その能力は僕が見てきたなかでも極めて高い。プレーで引っ張るキャプテンシーもあったし、かなりハイレベルな選手です。
 
 93年のヴェルディは、ラモス(瑠偉)さんを中心に華やかなチームでした。「サッカーって楽しいスポーツなんだ」というのを教えてもらったような気がします。地元のサッカー少年団にラモスさんが来てくれた縁もあって、読売クラブ時代から好きなクラブでした。

 当時のヴェルディで、ラモスさんはファンタジーを提供してくれて、ビスマルクは安定した技術で中盤を引き締めていました。ただ、自分がもっとも影響を受けたプレーヤーは北澤(豪)さんです。アグレッシブに走っていろんな局面に絡むスタイルは、自分自身のキャリアを築くうえで基盤となりましたから。

 カズさん(三浦知良)、武田(修宏)さんもいて正真正銘のスター軍団で、強さも兼ね備えていました。そのなかでMVPを選ぶなら、ラモスさんですかね。トップ下みたいなポジションからゴール前に綺麗なラストパスを通す姿を観て「凄いな」と。そういうパスを出せるのは、普通に格好いいです。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

※『サッカーダイジェスト』2020年6月11・25合併号より一部転載・加筆。

【詳細情報】2020年6月11.25日合併号