ペップ就任1年目の08−09シーズンにバルサは、スペイン史上初の3冠を達成。イニエスタも主力に成長した。(C)Getty Images

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 ヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタが、ビデオ通話で『ワールドサッカーダイジェスト』(インタビュアーは下村正幸氏)の独占インタビューに答えた。4月14日に実施され、ワールドサッカーダイジェスト5月21日号に掲載された元スペイン代表MFのインタビューを、3回に分けて全文公開する(第2回目)
 
下村氏:ペップの監督就任によって、あなたはバルサが強くなると確信していたんじゃないですか? 当時の有名なエピソードがありますよね。ラ・リーガの開幕戦でヌマンシアに敗れ、続くラシン・サンタンデール戦もドローに終わった後のことです。

 あなたはペップを、「監督、心配する必要はないよ。僕たちはきっと全てのものを勝ち取れる」と励ましたそうですね。それがまさに現実になったわけです(編集部・注/この08−09シーズンにバルサはスペイン史上初の3冠を達成)。

イニエスタ:戦術的にはそれまでと違った試みをしていて、プレシーズンマッチでの試合内容も良かった。だから、チームの仕上がりに手応えを感じていたんだ。ペップが目指していたサッカーは、僕たち選手にとっても歓迎すべきものだったしね。

 だから最初の試合に負けて、次の試合に引き分けても、チームはまったくネガティブになっていなかった。「きっと素晴らしいシーズンになる」という自信が、僕たちにはあったんだ。全てのタイトルを勝ち取るなんてとてつもなく難しいミッションだけど、そんな確信があったのさ。結果はともかく、チームが良い方向に進んでいるという実感があったね。
 
下村氏:これまで一緒にプレーした選手で、最も大きな衝撃を受けたのは誰ですか?

イニエスタ:僕はこれまで多くのトッププレーヤーたちと一緒に戦ってきた。その中で数人の名前を挙げるのは難しいな。本当に難しいよ。だって、みんな素晴らしい名手ばかりだったからね。

下村氏:おっしゃる通りです。素晴らしい選手ばかりでした。では、敵として戦ったことのある選手で、最も衝撃を受けたのは誰ですか?

イニエスタ:同じだよ。みんな素晴らしい選手ばかりだった。その大半は対戦する前からどんなプレーをするか分かっていたしね。トップクラスのプレーヤー、チームと僕は対戦を重ねてきた。

 スペイン、ヨーロッパ、そして世界のね。そうした素晴らしい選手たちとチームメイトとして一緒にプレーし、あるいはライバルとして対戦していくうちに、僕は様々なことを学び、成長していったんだ。
下村氏:2018年にヴィッセル神戸に移籍した後も、バルサの試合はチェックしていますか?

イニエスタ:もちろんチェックしているよ。でも、時差があるし、僕もまだ現役だからね。正直、すべての試合を生で観るのは難しい。でも、バルサは唯一無二のチームであり続けていると思う。

 相変わらずフットボールのスタイルそのものが、他のチームとは絶対的に異なるよね。試合によっては上手くいくこともあるし、上手くいかないこともあるだろう。でも、今もすべてのコンペティションで優勝を狙えるチームだと思うよ。

下村氏:あなたとシャビがチームを離れて以降、バルサの課題とされているのが中盤です。入団1年目のデヨング、2年目のアルトゥールについては、どんな印象を持っていますか?

イニエスタ:デヨングとアルトゥールは、まだ適応の途上にあると思う。ブッシ(ブスケッツ)やイバン(ラキティッチ)といった先輩ミッドフィルダーから学びながら、成長を続けていけばいいと思うな。クオリティーがあるのは間違いないし、それに2人ともまだ若い(デヨングは22歳、アルトゥールは23歳)。これから一歩ずつ道を切り開いていってほしいね。
 
下村氏:昨夏の楽天カップ(親善試合)では、古巣のバルサと対戦しました。どんな思いが込み上げてきましたか?

イニエスタ:とても幸せだったよ。友人でありかつてのチームメイトたちと再会できて最高に嬉しかったし、試合もすごく楽しめた。

 ヴィッセルのスタジアムにバルサを迎えるなんて、ファンにとっても貴重な体験だったと思う。素晴らしい1日だったよ。僕にとっても、クラブにとっても、そして日本のサッカーにとっても、すごく特別な試合になったよね。

下村氏:やはり特別な想いが去来したんでしょうね。

イニエスタ:もちろんさ。バルサのエスクード(エンブレム)を胸に付けた選手たちと対戦したわけだからね。

インタビュー●下村正幸
協力●楽天

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