ビデオ通話でインタビューに応じたイニエスタ。

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 ヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタが、ビデオ通話で『ワールドサッカーダイジェスト』(インタビュアーは下村正幸氏)の独占インタビューに答えた。4月14日に実施され、ワールドサッカーダイジェスト5月21日号に掲載された元スペイン代表MFのインタビューを、3回に分けて全文公開する。
 
下村正幸氏:今日はお時間をいただきありがとうございます。この1か月ほどは、あなたもずっと自宅待機状態にあると思います。家ではどんなことをして過ごしていますか?
 
アンドレス・イニエスタ:みんなと同じく、家で大人しく過ごしているよ。子供たちは学校の宿題があるからそれを見てあげたり、一緒に遊んだりね。もちろんコンディション維持のために、簡単なトレーニングも続けている。とにかく今できることを探して過ごしているよ。
 
下村氏:あなたの長所のひとつが、適応力だと思います。ピッチ上ではその強みを活かして活躍してきましたし、日常生活においてもきっと役立っているはずです。その能力はこの状況下でも活かせていますか?
 
イニエスタ:今の状況は、これまでとまるで異なる。自宅ではできることが限られているからね。でも、できる限り適応するようには努めている。それに、家族と過ごす時間が増えたという点では、むしろ楽しめているよ。これまでは長いこと試合や遠征の連続で、なかなか妻や子供たちとたくさんの時間を共有できなかったからね。
 
下村氏:言い方を変えれば、今の状況を有意義に活用するということでしょうか?
 
イニエスタ:そうだね。
 
下村氏:先行きがまったく見えない中で、人々はどこに希望を見出せばいいのでしょうか?
 
イニエスタ:今はとにかく我慢するしかないよね。自宅で待機して、感染が拡大しないように生活しなければならない。1日でも早く、楽しかった日常が戻ってくることを願いながらね。やっぱり人生は楽しいものでなくちゃ。
 
下村氏:そうですね。さて、『楽天』が制作したあなたの初ドキュメンタリーの予告編では、「バルセロナに加入した当初は悪夢だった」と話していました。具体的にどんな困難があったのか教えてください。
 
イニエスタ:家族と離れ離れになったのが辛くてね。僕だけがバルセロナに行ってマシア(選手寮)に入り、両親と妹はフエンテアルビージャ(アルバセーテ県の故郷)に残った。いわば僕は一人ぼっちになってしまったんだ。まだ12歳だったのにね。僕たちの家族は結束力がすごく強かったから、離れ離れになったのが余計に辛かった。
 
下村氏:徐々にその試練を乗り越えていったんですね。周囲のサポートに支えられながら。
 
イニエスタ:その通りだ。同じように家族と離れ離れの生活を強いられていた仲間と一緒に、お互いを励まし合いながらね。それと、やっぱりフットボールが僕を助けてくれた。僕が一番好きなことだからね。練習や試合に打ち込むうちに、少しずつ寂しさを克服していったんだ。
 
下村氏:そのバルサのカンテラで学んだことで、今も教訓になっていることはありますか?
 
イニエスタ:独特のプレースタイルやボールの扱い方、チームメイトのために戦うことの大切さなど、本当にすべてを学んだよ。そうしたカンテラでの指導が土台としてあったからこそ、僕はフットボーラーとして成長することができたんだ。
 
下村氏:かつてバルサのカンテラで働いていた私の友人で、あなたもご存知のカルレス・クアドラット(現ベンガルールFC監督)は、「イニエスタはカンテラにいた当時からリーダーの資質があって、ものすごく負けず嫌いだった」と話していました。そうした資質もバルサで学んだのですか? それとも生まれつきのものですか?