「生きづらさ」を感じるあなたを救う方法

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仕事やプライベートなどさまざまな場面で悩み、葛藤を抱えている人は多いでしょう。現代は物質的には豊かになったけれど、精神的に満たされているかといえば疑問が残ります。

そんな「生きづらさ」を抱えている方へ。生きづらさの原因を紐解き、少しでも楽になれるような対処法を紹介します。

■「生きづらい」その原因とは?

現代では、職場やプライベートにおいて、「理由の分からない生きづらさ」を感じている人がかなり増えているのではないでしょうか。

高度経済成長期の幸福の価値観といえば物質的な豊かさであり、一生懸命働けば収入が増えるという仕組みが機能していました。結婚して子どもを持ち、マイホームを手に入れる。男性は一家の大黒柱として稼ぎ、女性は専業主婦として家庭を守るというスタイルが一般的でした。

ところが、現代は経済が停滞し、終身雇用制度は崩壊。一昔前に普通とされていた生活を手に入れること自体が非常に難しくなっています。男性も女性も同じように働かないと生活を維持できない。しかし、頑張って働いても給料アップは望みにくい。

会社員であれば1日の大半を職場で過ごし、自由時間はほんのわずかです。やりたい仕事でなければ、自分を犠牲にしてまで「何でこんなことをしているんだろう」とむなしく感じてしまうものです。

◇「普通」から外れてしまうことへの罪悪感

また、SNSの発達で、他人の生活がよく見えるようになったため、周りと自分を比べやすくなったのもあるかもしれません。普通とされる生活が手に入らないと、必要以上に自分を責めてしまう人も多いですし、仮に普通の生活が手に入ったとしても「なぜか幸せを感じない」と思っている人も多いでしょう。

価値観は多様化し、環境や状況も変化しているものの、それでも個性的な言動を嫌い、「みんな一緒」であることを求める風潮は少なからず残っています。一般的に良いとされている価値観と自分の考え方とのギャップもあるでしょう。

みんなが当たり前のように残業している中で、自分は帰りますとは言いづらいものですし、結婚に全く興味がなかったとしても、正直に言うのには勇気がいるものです。集団の中の「普通」から外れてしまうと、それだけで「自分が変なのかな」と感じ、罪悪感が湧くことも。

◇周りからの評価に敏感になり過ぎる

他にも、人間関係において「人に否定されるのが怖い」「傷つきたくない」と過度に恐れていることも生きづらさの要因となります。

人自体が怖いと思っていると、自分の本音を安心して話すことができません。無理なお願いをされても断れない、困ったことがあっても自分一人で抱え込んでしまう、他人からどう思われているかが気になってしまう、人と比べて落ち込んでしまう……。

それでも何とかしようと必死になって、でもうまくいかなくて自信がなくなって……を繰り返し、心が疲れ果ててしまう人もいるでしょう。

このように、生きづらさにはさまざまな要因がありますが、総じて「本当の自分を表現できない」「自分らしく生きられない」感覚が、しんどさにつながっているのではないでしょうか。

■生きづらさへの対処法

理由はさまざまですが生きづらさを感じているなら、これから紹介する7つの方法を試してみてください。生きづらさを少しでも緩和したり、解消したりすることができるでしょう。

◇(1)生きづらさの正体を知る

息の詰まる感覚がした時に、なぜ自分がそう感じるのか、本当は何を恐れているのかをしっかり把握する必要があります。漠然と不安を感じているだけだと、不安は実体以上に膨らんでしまいます。

例えば、本音が言えないことで悩んでいるのであれば、本音を言ったら嫌われて独りぼっちになってしまうと思っているのかもしれません。

自分に対する良くないイメージを持っていることが原因だと分かれば、自己肯定感を上げていくなど、対策を考えることができます。

◇(2)自己犠牲をやめる

相手の機嫌を損ねることを恐れて、「自分が我慢すればいいや」と考え自分を犠牲にしてしまう癖のある人は、いつか限界が来てしまいます。他人の幸せも大切ですが、自分も一緒に幸せになる必要があります。

「いいよ」といって引き受けたものの、もやもやするのであればやりすぎのサイン。あくまでも自分が気持ち良くできる範囲のことをするようにしましょう。相手の機嫌を無理して取る必要はないのです。

◇(3)一般的な価値観を疑ってみる

世間で良いとされている価値観と、自分の価値観はズレることがあると認識しておきましょう。

例えば、ある情報媒体が「男性は料理のできる女性が理想」と言っていたけれども、自分は料理が苦手だとします。しかし、その理想の女性像に自分が当てはまらなかったとしても、罪悪感を持つ必要はありません。

実際のところ、料理ができないことを気にしない男性もいますし、むしろ彼氏が料理上手で問題なくやっているカップルもいます。自分が納得できる考え方を採用するようにしましょう。

◇(4)セルフイメージを上げる

生きづらさの原因が人間関係にある人は、良い自己イメージを持つようにすることがおすすめです。

人目を気にしてしまうのも、本来の自分が出せないというのも、「自分は良い存在である」と思えていないことからきています。

自分のダメな部分に目を向けるのではなく、良い部分に目を向けたいものです。毎日自分を褒めたり、頑張りを労ったりして自分を認めていきましょう。

◇(5)嫌なことは少しずつやめていく

頑張り屋さんほど、嫌なことにあえて取り組むことで成長できると考えたり、一番苦手な人を攻略できたら人間関係に自信が持てると考えたりしがちです。ですが、それではかえって自信を失ってしまいます。

心を押し殺さないとできないようなことは、できるだけしないようにしましょう。嫌なこと全てをやめるのは難しくとも、「このお誘いは断ろう」など、簡単なことからやめてみて、心の余裕を作りたいものですね。

◇(6)自分らしさを発揮できる環境を選ぶ

職場などが自分に合わないような場合には、「他の人はちゃんとできているのに、自分は適応できないなんてダメな奴だ」などと気に病む必要はありません。単に、自分の性質に合わないだけのこともあります。

「自分が一番のびのび働けるのはどういう環境だろう?」と考え、合う場所を選ぶようにしましょう。

◇(7)自分の居場所を増やす

ありのままの自分を出せる居場所が複数あると、生きづらさは随分と緩和されます。職場と家の往復だけだと、どちらかが嫌な場合にどんどんしんどくなってしまいます。趣味のサークルなど、仕事と家族以外に人間関係を持つといいですね。

自分の自然な姿を喜んで受け入れてくれる人たちと仲良くすることが、自信を回復させることに繋がります。

まずは自分を認めてあげることから始めよう!

周りとの価値観のズレ、普通になれない苦しさ、人から否定されたくなくて自分を押し殺してしまうことの息苦しさなど……。「本当の自分を表現できない」時、私たちは何とも言えない閉塞感やむなしさを感じます。

さまざまな固定概念から解き放たれ自由になり、自分で自分を受け入れ認めていくことによって、自分に合う環境や人間関係を選んでいきましょう。自分らしくあることが、あなたを幸せへと導きます。

(高見綾)

※画像はイメージです