3年前の西東京大会は早実の清宮がいてスタンドは満席だった(C)日刊ゲンダイ

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【松坂、筒香を育てた小倉清一郎 鬼の秘伝書】

センバツ用にプロ作成「極秘指名リスト」一挙公開【投手】

 選手にかける言葉が見つからない。本当に、本当に残念だ。

 日本高野連が20日に開いた運営委員会で、春のセンバツに続いて8月10日開幕の夏の甲子園大会の中止を発表した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で高校生のインターハイ、全日本大学野球選手権などの全国大会が相次いで中止になっていただけに、仕方ないとは思う。

 だが、3年生部員を公式戦のないまま卒業させるのは余りに忍びない。地方大会の中止も合わせて決定されたが、それに代わる独自の公式戦の開催については、各都道府県高野連の裁量で実施する余地が残された。独自大会、代替大会に関して各高野連で温度差があるのは事実だが、これだけは、なんとか実現させてもらいたい。

 私が臨時コーチを務めている山梨学院が出場を決めていたセンバツが中止になった際、「夏じゃなくて良かった。この悔しさは夏に晴らそう」と選手に声をかけた。それなのに、その機会も奪われてしまった。吉田洸二監督の指導力のたまものだろう、山梨学院の選手たちは中止の報道が出た後も気丈に振る舞っていて、頭が下がる思いである。

 繰り返し、これだけは言いたい。どんな形でもいいから、3年生が最後に練習の成果を披露する舞台を用意して欲しい。

■500人限定で500円なら1試合25万円

 私案がある。スタンドに一般客は入れず、球児の父兄や両校の部員などの関係者だけに限定すれば、250人ずつほどだろう。計500人が一塁側と三塁側に分かれれば、離れて座ることは可能だ。そして、1試合ずつの入れ替え制にする。何万人もの観客を1試合ごとに入れ替えるのは大変だが、500人程度ならすぐに終わる。「無観客で入場料が入らなければ地方高野連の財政が厳しい」と言うが、500人の父兄から500円ずつを徴収すれば1試合の収入は25万円。昨秋の山梨大会を例にとると、32校が参加し、31試合が行われた。大会を通じて775万円の収入になる計算だ。球場使用料などの大会運営費は、数百万円から大都市などでは1000万円以上になるといわれる。少しは足しになるのではないか。

 休校期間の遅れを取り戻すため、今年は8月10日前後から2学期が始まる学校が多いそうだ。そうなると、独自大会であっても参加校が多い県などは、決勝までの日程を確保できず、開催に積極的でない地域もあると聞く。それでも全ての都道府県でやらせてあげたい。全国の指導者がそう願っている。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)