19日、環球時報は、インドが中国に代わって世界の工場になるのは無理だとする英BBCの報道を紹介した。写真はインド。

写真拡大

2020年5月19日、環球時報は、インドが中国に代わって世界の工場になるのは無理だとする英BBCの報道を紹介した。

英BBCは、インドのNitin Gadkari道路交通相がこのほど受けたインタビューで、「中国の世界的な地位が失われていることはインドにとってチャンスであり、より多くの投資を引き寄せることができる」と述べ、ブラジルの人口に匹敵するインド北部に経済作業チームを設立し、中国からの撤退を望む企業を呼び寄せる考えを示したことを紹介。「インドはルクセンブルクの国土の2倍の面積に相当する土地を準備しており、中国撤退を希望する企業に資金を提供するとしていて、すでに1000社の米国のグローバル企業と話し合いを行った」とした。

しかし記事は、「サプライチェーンの再構築は、言うはやすく、行うは難しだ」と指摘。「専門家からも、新型コロナウイルスの流行で多くの企業は資金難に陥っているため、すぐに行動することには慎重になっているとの見方が出ている」と伝えた。

英紙フィナンシャル・タイムズの元駐香港事務所の責任者は、インド政府が土地を準備していることは正しい方向への第1歩だとしつつも、「大企業は土地があるからといってすぐに業務を移転することはあり得ない」と指摘。「生産ラインとサプライチェーンは多くの人が考えるよりずっと難しい問題だ。一夜にしてこの二つを分けられるわけではない」と述べたという。

記事は、インドがグローバル企業から選ばれない別の理由として、「世界の主要なサプライチェーンに加わっていないことがある」と指摘。「7年間の話し合いを経てインドは東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉から撤退した。このような決定は、インドの輸出企業がゼロ関税で目的地の市場に入ることを難しくしており、貿易パートナーが互いに利益を得るのも難しくなっている」と論じた。

国際政治学者のパラグ・カンナ氏は、「制度からすると、貿易協定の確立と競争力のある価格の提供は同じぐらい重要なことだ」と指摘。「世界貿易は地産地消のモデルになりつつあるので、地域の一体化は特に重要。また、インドと外国による直接投資の不安定な関係や不均衡な管理監督も、グローバル企業を困らせている」としたという。

また記事は、最近では労働コストの上昇でグローバル企業はローエンド産業を中国からベトナムやバングラデシュなどへ移転し始めているが、インドはこの面で敗者になっているとも指摘。「生産基地として世界に製品を輸出するだけの条件がインドには整っていない」とした。(翻訳・編集/山中)