覚醒剤の陽性反応が出たと報道された5月12日、川上容疑者は検察庁で取り調べを受け、戸塚署に身柄を戻された

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5年前から内偵。ラッパーと違法薬物の関係がついに明らかに

覚醒剤の陽性反応が出たと報道された5月12日、川上容疑者は検察庁で取り調べを受け、戸塚署に身柄を戻された

「実は、警視庁組織犯罪対策第5課(以下、組対5課)には5年ほど前から『川上容疑者が違法薬物を使用している』というタレコミが何度もあったんです」

 そう語るのは、薬物犯罪に詳しいジャーナリストの竹村明氏だ。

 5月2日、乾燥大麻を所持していたとしてラッパーの『漢a.k.a.GAMI(かんエーケーエーガミ)』こと川上国彦容疑者(41)が大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕された。その後の尿検査では覚醒剤の陽性反応が出たとして、さらに波紋が広がっている。

「川上容疑者はラッパーたちが技術を競い合うテレビ番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)で一躍人気を博した、いわゆる爛侫蝓璽好織ぅ覲Δ離譽献Д鵐畢瓩任后ヒップホップ業界内のみならず一般的な知名度も高かっただけに、彼の逮捕は多くの人に衝撃を与えています」(テレビ局関係者)

 2日に新宿区大久保の路上で川上容疑者を逮捕したのは所轄の警視庁戸塚署だった。だが、冒頭にあるように彼は戸塚署だけでなく薬物犯罪などを捜査する組対5課にも追われる要注意人物だったという。前出の竹村氏が続ける。

「今回は戸塚署がパトロール中に偶然、川上容疑者を逮捕できたのだと思いますが、組対5課も彼の捜査は進めていたんです。タレコミがあったことや、ライブで目が充血していたり挙動が怪しかったりしたことなどから、組対5課は川上容疑者の所属するレーベル『9SARI(くさり)  GROUP』内に大麻受け渡しのネットワークがあり、その頂点にいるのが川上容疑者なのではと睨(にら)んで2年前から本格的な内偵を始めていました。’18年5月にはヒップホップグループ『練(ねり)マザファッカー』のD.O(ディーオー)が大麻を密輸して逮捕されましたが、これは、『9SARI GROUP』捜査の成果だったのです」

 川上容疑者が逮捕されたことで、彼の薬物仲間が芋ヅル式に見つかる可能性もある。竹村氏がさらに続ける。

「川上容疑者は5月2日の逮捕時、紙巻きタバコの箱の中に乾燥大麻を隠し持ったまま新宿区の自宅近辺をウロウロしていたといいます。もしかすると、彼は知人に頼まれて大麻を渡しに出かけていたのかもしれません。現在は新型コロナウイルスの流行によって海外との行き来が極端に減り、違法薬物が品薄かつ高価格になっていますからね」

 実はここ数年、複数のラッパーが違法薬物に関連した容疑で逮捕されている。川上容疑者や『練マザファッカー』のD.Oをはじめ、’18年1月に大麻取締法違反容疑で逮捕されたUZI、同年5月に同じく大麻取締法違反容疑で逮捕された沖縄出身ラッパー・RITTOなどだ。こうしたラッパーと違法薬物との密接な関係はどのようにして生まれたのか。あるヒップホップ業界関係者はこう語る。

「ラップはもともと20世紀に生まれたアメリカの黒人文化です。発祥当時、貧しかった黒人たちは麻薬ビジネスでカネを稼いでいました。こうした文化的な素地があったことに加え、日本でもつい最近までヒップホップ業界の市場が非常に小さかったこともあり、一部のラッパーは麻薬を密売して資金を稼ぐことがあったのです。近年は日本にも良質な大麻の種子が密輸されてきて、国内で大麻栽培を行うラッパーもいます。

 また、ラッパーは地元との結びつきをとても重視します。地元に根差して活動していくうちにその地域のヤクザと交流が生まれ、ヤクザから違法薬物の栽培・密売に誘われて一緒に手を染めてしまうという事例もあるんです」

 フリースタイルの世界で強い影響力を持っていた川上容疑者。彼が逮捕されたことで業界が受けるダメージは、計り知れないほど大きい。

川上容疑者が所属するレーベル『9SARI GROUP』の運営会社『鎖グループ』のオフィス(新宿区)

大麻取締法違反容疑で逮捕されるちょうど前日の5月1日、川上容疑者のインスタグラムにアップされた動画より

大麻所持により川上容疑者を逮捕した新宿区の警視庁戸塚警察署。取り調べで覚醒剤の使用も判明した

PHOTO:蓮尾真司(2,4枚目)