芋ようかんをバターで焼いてみただけだが......(写真はすべてJタウンネット記者撮影)

舟和の「芋ようかん」、ご存じだろうか。東京・浅草に1902年(明治35年)に創業したというから、110年以上も続く老舗である。その芋ようかんのある食べ方が、いまツイッターで話題になっているのだ。

舟和の公式サイトには、「芋ようかんの召し上がり方」として、こう紹介されている。

「フライパンにバターやマーガリンをひき、お好みの焼き目が付くまで焼きますと、コクのある洋風なお味になります」

アイスクリームなどを添えても、美味しく食べられる、と記されている。本当だろうか?

ツイッター上には、こんな声が殺到している。

「罪深い味」
「飯テロ罪で有罪」
「まさに悪魔の所業」
「禁断の旨さというやつですか?」
「食べるの止まらんやつやぁ」

「罪深い味」とは、聞き捨てならぬ。意外に簡単にできそうだし、やってみるか! 自粛生活にもいささか疲れてきたJタウンネット記者は、さっそく試してみることにした。

ケーキに、洋菓子に、変身する


フライパンにバターと芋ようかんを入れるだけ

芋ようかんは、ネット通販で取り寄せると、中1日で到着した。あまり日持ちはしないということなので、すぐに取りかかろう。

調理とはいっても、フライパンにバターと芋ようかんを入れるだけだ。芋ようかんはあらかじめ切れている。バターが溶け出したら、芋ようかんにからませていく。じっくり火を通していくと、ほのかにバターの香りが漂う。


焼き目が裏表に付くように火加減する

芋ようかんはかなりぶ厚く切ってあるので、ひっくり返して、裏表に焼き目が付くようにした。火加減が少し難しかった。火が強すぎると、焦げ目がついてしまいそうだし、弱すぎると、なかなか焼き目が付いていかない。試行錯誤を繰り返しながら、芋ようかんを焼くのも楽しいかもしれない。


渋いお茶でも飲みながら、和風もいいけれど...?

焼きあがった芋ようかんをどう食べるべきか、和風か、洋風か、一瞬迷った。

だが実際に食べてみると、あきらかにケーキだった。洋菓子なのだ。ようかん、和菓子という感じは、もはやなかった。ホイップクリームやアイスクリームにも絶妙にマッチする。ハーゲンダッツの抹茶アイスとの相性は、まさに「罪深い味」だった。コーヒーを飲みながら至福のひとときを過ごすことができた。


コーヒー飲みながら、やはり洋風がイイ!

芋ようかんがかくも華麗に変身することを、いつ、どのようなきっかけで発見したのだろう? Jタウンネット記者は舟和本店に聞いた。

取材に応じた営業部担当者は、「ずいぶん前からと聞いておりますが、詳しいことは分かりかねます」と恐縮しながら答えた。秋冬の寒い時期には、焼いた芋ようかんをお勧めしていたと、聞いたことがあるそうだ。結局、「罪深い味」の秘密を探ることはできなかった。

ところで、ツイッターで話題になったことで、何か反響がありましたか? と聞くと、「そういえば最近、通販サイトで芋ようかんのオーダーが急増しているようです。皆さん、自宅にいらっしゃるせいでしょうか」という返事だった。

芋ようかんが、バターで焼くだけで、「罪深い味」に変身する。読者も試してみてはいかがだろう。