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積算1万373km 隣人も購入したマツダ3

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
少し前になるが、隣人が自宅前に留めているマツダ3をジロジロと見ている様子を目撃した。そんな彼は、いまではマツダ3のオーナーだ。

ルックスの良い、マツダ3に惹かれる理由は良く分かる。英国では販売も好調らしい。3万ポンド(405万円)以下のクーペは、今では絶滅危惧状態。マツダ3は、現代のフォルクスワーゲン・シロッコ的な存在になるのかもしれない。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

積算1万1635km ハイブリッド・モニター

マイルド・ハイブリッドを採用するマツダ3は、通常のハイブリッドに似たグラフィックがモニターへ表示される。エンジンとモーター、バッテリーの稼働状態が表示される。バッテリーとモーターだけでは、マツダ3は走れないのだが。

このマイルド・ハイブリッドで面白いのが、シフトアップ時に若干ブーストが掛かったようになること。このモニターは、エンジンが圧縮点火モードかどうかも教えてくれる。通常、5000rpmくらいまでで機能するようだ。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

積算1万1815km クリス・ハリスも評価する3

以前AUTOCARで試乗評価をしていた、クリス・ハリス。彼が「ここ数年で、最も印象深いルックスを備えた、良くできたファミリーカー」 だと、マツダ3に対してコメントしていた。

現代の多くのクルマに乗り、辛口なコメントを控えない人物からの発言。ほとんど称賛だといって良いだろう。わたしも賛同する。とてもおしゃれな見た目で、乗った印象も特別感がある。

積算1万2424km 日本製ハッチバックを比較

多くの売れ筋ファミリーカーは、近似しているのだろうか。自動車メディアの人からも聞こえてくる意見だ。電動化技術の採用が進む中で、ますますモデル間の距離は接近しつつある。

多くの自動車メーカーは、まったく異なったアプローチを取っていることがほとんど。実際は数多くの戦略が、数多くのモデルを生み出し、多様性を構成している。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツとトヨタ・カローラ・スポーツ(英国仕様)

英国編集部のジェームス・アトウッドは、AUTOCARで別の長期テストに関わっている。どちらも日本車で、価格も同等。スペックシート的にも近似しており、程度の違いはあるが、ハイブリッドを搭載する。

この2台の違いは、どの程度のものなのか。この機会に、お互いで意見を交わすことにした。

ハイブリッドを先取りしてきたトヨタ。数十年の経験が、最新のトヨタ・カローラ・スポーツに落とし込まれている。

幾度かのバージョンアップを繰り返し、アトキンソンサイクル・ガソリンエンジンとCVTとの組み合わせによるハイブリッドは、従来以上のパワーと環境性能とのバランスを生んでいる。

当初からはるかに大きくなった、電気モーターとバッテリーのアシストのおかげだ。最大112km/hまでの速度域を、電気モーターだけで走行することも可能なほど。

アトウッドのように、自動車で近距離通勤をする人にはピッタリの内容だといえる。滑らかで、落ち着きがあり、並外れた燃費を実現している。以前に乗っていた、高い評価を集めたフォード・フォーカス以上に気に入っていると話す。

ハイブリッド技術の経験が光るトヨタ

筆者の場合、結果も異なる。市街地の走行距離は短く、往復130km近い距離を高速道路や流れの早い道を中心に走行する。

カローラ・スポーツと3とを互い違いに乗り換えてみたが、まったく違うものだった。マツダ3の方がデザインの洗練度では上だと思うが、カローラ・スポーツも、先代のオーリスと比べれば明らかに魅力的になった。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

トヨタのインテリアは、知覚品質の水準を高めているが、マツダの知的に練られた扱いやすいレイアウトの方が筆者は優位だと感じる。スタイリッシュでソリッドな雰囲気も良い。インフォテインメント・システムも、カローラの方が少し安っぽく使いにくい。

マツダの電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドは、当然のことながら、エンジンをオフにすらできるトヨタ製ハイブリッドには敵わない。マツダ3も、信号などで停止直前になれば、エンジンが休止するけれど。

カローラ・スポーツの場合、走り出して数分間後にエンジンが温まってしまえば、積極的にエンジンは休止する。オフィスから高速道路の入り口まで、8kmほどの距離を試したが、90%はエンジンが停まっていた。

高速道路に乗ると、エンジンは基本的に回ったままになるものの、マツダ3と比べると3.5km/L以上は燃費で優れていた。

トヨタの長所と、マツダの長所

走行性能も、想像以上に活発なカローラ・スポーツ。低速からの加速は、マツダ3より力強く感じるくらい。電気モーターのアシストと、シフトチェンジがないためだろう。

一方でドライバーとの一体感では、マツダ3が別次元にある。トルクがやや細いエンジンを、6速MTを駆使して走らせる体験は、より充足感が高い。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

カローラ・スポーツのステアリングフィールも驚くほど自然でダイレクト。反面、スイッチのようなブレーキの感覚と、柔らかいサスペンションの組み合わせで、速度域を上げた時の自信は湧きにくい。

並べてみると、カローラ・スポーツと3は、頭で乗るクルマと心で乗るクルマ、という比較の典型にあることがわかる。

トヨタの方が都市部での走りは優位。車内は広々して、乗り心地は比較的滑らか。雰囲気は控えめだ。一方のマツダは劣る部分があるものの、クルマの放つ魅力とドライバーが得られる共感が、筆者を強く惹きつけるのだった。

テストデータ

気に入っているトコロ

高級感のある車内:この価格帯で最も優れた、造形美と機能性とのブレンドを持っている。

気に入らないトコロ

平均的な燃費:トヨタ・カローラ・スポーツの燃費には驚かされる。マツダ3は、ライバルのターボガソリン・ユニットよりわずかに優れる程度だ。

テスト車について

モデル名:マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)
新車価格:2万6675ポンド(381万円)
テスト車の価格:2万7545ポンド(393万円)

テストの記録

燃費:15.1km/L
故障:なし
出費:なし