2020年クラシック候補たち
第17回:ガロアクリーク

 3歳牡馬クラシックの第1弾、GI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)は、コントレイルがサリオスとのマッチレースを制して、一冠目を獲得した。

 続く二冠目となるGI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)でも、皐月賞で勝ち負けを争った2頭、コントレイルとサリオスが人気を集めることになるだろう。

 とはいえ、皐月賞で上位2頭に続いて3着に入った馬も、決して軽視はできない。美浦トレセンの上原博之厩舎に所属するガロアクリーク(牡3歳/父キンシャサノキセキ)である。


ダービーでも侮れないガロアクリーク

 昨秋の2歳新馬(11月17日/東京・芝2000m)でデビューした同馬は、スタートから中団を進むと、4コーナーで大外から先頭集団に並びかけていき、その勢いのまま早め先頭へ。最後は内で粘るトーヨースターオーを振り切って、鮮やかな勝利を飾った。

 2戦目には、いきなりGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)に挑戦した。初陣と同じく中団を追走し、リズムよくレースを運んでいたが、4コーナー手前からズルズルと後退。さすがにレベルが違ったのか、11着と大敗を喫した。

 その後、年明け初戦に臨んだ1勝クラスの水仙賞(3月1日/中山・芝2200m)も、4着に敗戦。クラシックへの道は、遠のいたように思えた。

 ところが、中2週で挑んだ皐月賞トライアルのGIIスプリングS(3月22日/中山・芝1800m)で一変する。中団4、5番手で折り合うと、デビュー戦と同様、4コーナー手前から外に回して先頭集団に並びかけていった。

 直線を迎えて、5、6頭の馬が横並びになるが、残り200mを切ってから、ホープフルSで2着に入ったヴェルトライゼンデと、ガロアクリークが抜け出す。そして、ガロアクリークがその叩き合いを制して快勝。クラシックへの切符を手にした。

 6番人気という伏兵の立場でスプリングSを勝ったガロアクリーク。本番の皐月賞でも、その勝利がフロック視されて8番人気と低評価だった。しかし、よどみのないペースのなか、いつもどおり中団を追走。3、4コーナーの途中から、外を上がっていく1番人気コントレイルとともに、馬群を縫うようにして進出していった。

 直線、他の馬たちと同様、ガロアクリークも一気にスパートをかけるが、ひと脚先に仕掛けていったコントレイル、内から伸びるサリオスには、スッと離されてしまった。それでも、大外から懸命に追いすがり、内側の馬群を差し切って3着入線を果たした。

 こうして、クラシックの舞台でも戦えることを示したガロアクリーク。陣営によると、ダービーに向けても万全の状態にあるようだ。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「馬自身の完成度、加えてレースセンスのよさについて、陣営は初戦から高く評価していたようです。折り合いにも不安がなく、ダービーにおいても『距離が延びて、他の馬が折り合いを欠くようなら、こちらにはプラス』と、スタッフは自信の表情を見せていました。

 なお、同馬の父はスプリンターのキンシャサノキセキ。距離不安を指摘する声もありますが、陣営は『馬体やフットワークから、もともと長い距離への適性を感じていた』とのこと。2400m戦にも、一切心配はしていないようです」

 また、2戦目、3戦目と連敗を喫したが、これも陣営は「力負けではない」と分析しているという。先述のトラックマンが続ける。

「ホープフルSの惨敗は、調子落ちが原因。(レース前は)負荷のかからない坂路コースでしか追い切れなかったそうです。水仙賞も、まだ立て直しの過程にあったとか。

 ともに敗因ははっきりしており、陣営の自信が揺らぐことはありません。以降、現在も好調なようで、ダービーでも注目すべき1頭と言えます」 この春、低評価を覆(くつがえ)して好成績を残してきたガロアクリーク。日本ダービーでも伏兵扱いから脱出することはなさそうだが、再びアッと驚く大駆けを見せるのか。必見である。