阪神は23日、甲子園と鳴尾浜で、投手と野手が合流した集合練習をスタートした。3月26日に活動休止して以来、初めて投打の選手がそろって汗を流した。オンライン取材に応じた矢野燿大監督(51)は野球ができる喜びをかみしめ、24日にシート打撃を行う予定を明かした。最短で6月19日を目指す開幕へ、調整をさらに加速していく。

 ようやく甲子園に1軍ナインが集まった。投手と野手の分離練習が始まってから4日、実に65日ぶりの全員集合。ソーシャルディスタンスを保つための特大の円陣が組まれると、矢野監督はマスクを外して声を上げた。

 「日本一になるだけじゃなく、こういうことがあった中でファンにパワーを与えたい。苦しい時こそ楽しく、そういう姿でファンに元気や勇気を伝えることができると思う。そういう姿を新たに見せていきましょう」

 堂々たる“日本一以上”宣言。オンライン取材に応じると、早速実戦形式の練習を導入する意向を明らかにした。

 「あす(24日)、初めてシート打撃はやりたいなと思っていて。ピッチャーも打者に投げたいだろうし、打者も生きた球を見たいだろうし」

 最短6月19日の開幕が実現すれば、調整期間は27日間。3月25日のDeNA戦(横浜)を最後に実戦から約2カ月も離れており、勘を取り戻すのは簡単ではない。一刻も早く投手は打者に投げさせ、打者には生きた球を打たせたかった。

 「数多く実戦をやりながら、紅白戦もできる状況であれば、そういうものをやっていきたい」

 分離練習の期間に選手らの動きを注視し、コミュニケーションを取り続けて、すぐに実戦形式の練習ができる手応えがあった。新外国人のボーアとサンズにも「いろんな判断をするのが必要になる。多く打席に立って状態を上げてもらう」と特別扱いせず、実戦でアピールするよう求めた。

 この日は充実の約4時間を過ごした。選手、スタッフが本拠地で一堂に会するのは全体練習をした3月19日以来。新型コロナウイルス対策で、なるべく3密を避けた。そのため黙々と体を動かす場面も多かったが、投内連係では主将の糸原らが声を上げて活気ある姿を披露。完全に元通りとはいえないが、以前の光景が少しずつ戻ってきた。

 「世の中の皆さんが大変な思いをしている中で、こうやって準備をさせてもらっている。僕らができるのは野球から元気を届けること。それを精いっぱい、楽しみながらやっていきます」

 虎将に迷いはない。超異例となった今シーズンを乗り越える道を、示していく。(大石豊佳)

 ★ホームラン球にメッセージ

 矢野監督は当面、無観客で開催されるであろうシーズンを想定し、新たなファンサービスを模索中だ。選手、コーチらとオンラインミーティングも開いており「プレーで喜んでもらうだけじゃなく、プラスアルファの部分をみんなの協力でチャレンジしていきたいと思っている」と話した。この日、放送されたカンテレ「こやぶるSPORTS」にオンライン出演した際には、ホームランボールに打った選手のメッセージを書き込んでプレゼントするプランがあることを明かした。

 ★高校野球中止で…

 矢野監督は円陣でのあいさつで、20日に中止が発表された高校野球の夏の甲子園大会にも言及。「甲子園で野球がやれることは、当たり前じゃない。高校生が甲子園で野球をやりたいという気持ちが強い中、できない。でも、俺らはここでやらせてもらえる。そういうのは当たり前じゃない」と改めて野球ができるありがたさを強調した。