インド・ダルバンガー県の村にある自宅で、写真撮影に臨むジョティ・クマリさん(写真手前)と家族ら(2020年5月23日撮影)。(c)AFP

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【AFP=時事】新型コロナウイルスの流行に伴う封鎖措置が敷かれたインドで、けがをした出稼ぎ労働者の父親を15歳の少女が地元の村まで1000キロ超も自転車をこいで連れ帰るという出来事があり、この少女は自転車競技のナショナルチームからトライアウトのオファーを受けたという。

 地元メディアの報道によると、ジョティ・クマリ(Jyoti Kumari)さんは、父親のモハン・パスワン(Mohan Paswan)さんを自転車の後部座席に乗せ、所持品を携えながら、ペダルをこいで首都ニューデリー近郊のグルグラム(Gurugram)からビハール(Bihar)州にある故郷の村を目指した。

 そうして1200キロの道のりを7日かけて走破し、今月16日に自宅に帰り着いたという。

 オートリキシャ(自動三輪タクシー)の運転手であるパスワンさんは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために3月に突然実施された封鎖措置により、数百万人に及ぶ他の移民労働者たちと同じように仕事を失った。

 インドでは、家賃の支払いや食料購入のためのお金が底を尽き、また、公共交通機関も運休していることから、多くの人々が徒歩、もしくはクマリさんのように自転車で帰郷している。

 残りの資金で購入した中古自転車による親子の苦難の旅はメディアをにぎわせ、インド自転車連盟(Cycling Federation of India)の目に留まり、クマリさんにナショナルチームのトライアウトの機会が与えられることになった。

 同連盟の会長はAFPに対し、「彼女は7日間、父親と荷物と一緒にこの距離を走破した。彼女には持久力というレベルでひとかどのものがあると思う」と指摘。「彼女はただ学業を続けたいと言っているが、われわれのアカデミーで勉強についても面倒をみると話した」という。

 同連盟は、全国規模での移動制限が解除された後、クマリさんがニューデリーを訪れると見込んでいる。

 同会長は、クマリさんに自転車競技への適性があるかどうか連盟がテストすると話している。

【翻訳編集】AFPBB News

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