(写真提供:学研プラス)

2020年のはじめに、GoogleがYouTubeでの広告売り上げを発表した。前年比より36%増の150億ドル。Googleの全体売り上げの9%に相当する額となっている。広告費だけで堅調に稼ぎまくっている印象だ。逆に言うと、広告ビジネスぐらいでしか勝ち筋を見つけられていない、Googleの会社としての特性が表れていると思う。

Google+や、社独自のコミュニティサービスでは撤退せざるをえず、サブスクリプションも苦戦を強いられている。その辺りはAmazon.comが完全に上をいっているだろう。

とはいえ広告ビジネスでは、Googleは世界の覇権を取った。スマホ革命の最大の恩恵を受けたと言える。3Gから4G時代に進み、動画視聴の習慣はパソコンからスマホに移った。10分ぐらいの長い動画を見るのも、昔ほど苦ではなく、広告をはさみやすくなった。スマホが世界に浸透したことで、YouTubeを筆頭にしたGoogleの広告ビジネスは、盤石のものになった。

5G時代へ、YouTuberにさらなる期待

YouTuberの躍進も、相関している。全世界のYouTuberたちの創意工夫がなければ、動画ビジネスのマーケットは成立しなかっただろうし、職業として認知されることもなかった。5G時代に向けて、彼らの活躍はさらに期待される。

国内の人気YouTuberが多く所属するUUUMが、株価急落と報じられたり、炎上騒動がしばしば起きるなど、一時期のブームはもう終わりという見方もあるが、そんなことはない。新しく参入する余地は充分だ。

僕は10年以上前から、YouTuberとしても活動していた。2019年からは、本格的に動画革命に取り組んだ。時事ネタをひとり解説する動画の即時配信など、いろんな工夫を重ね、再生回数を伸ばした。いまでは国内の収益上位にランクインする、トップYouTuberの1人だ。

僕の動画を見ている人たちのボリュームゾーンは、33〜44歳。可処分所得の多い層をつかんでいるのは、広告ビジネスでは強みだと思う。小中学生など子どもをターゲットにしたYouTuberは、再生回数を伸ばしていても、その点では苦労するだろう。

ブームはたしかに、1つの山を過ぎたかもしれない。しかしゴルフとか麻雀とか釣りなど、可処分所得の多い大人に向けた動画配信は、広告ビジネスでリードできる分野だ。とくにトライアスロンの生配信は、お薦めしたい。

大人でも、長い動画をスマホで見る習慣が、普通のものになった。お金に余裕のある社会人が動画のマーケットの中心になりつつある。ブームは去ったのではなく、むしろ新しいフェーズに入ったのではないか。会社員こそ、YouTuberへの転身が向いている時代になったと言えるかもしれない。

YouTuberは、遊びを仕事にした人たちの代表格だ。もちろん各々に見せ方とか、努力は必要だけれど「好きなことをやって生活する」という基本は、変わっていない。

「遊び」を仕事につなげるためには?

僕は遊びを仕事に、仕事を遊びに変えて暮らしている。つまり、仕事と遊びの境がほとんどない。面白い場所へ出向き、面白い人たちと出会い、面白い体験をして笑っている毎日だ。多くの人は、僕が遊んでいるだけのように見えるかもしれないけれど、それを楽しみながら、誰よりも多くの仕事をこなしている。

遊びを仕事につなげるためには、豊富な知識とアイデアが必要になる。それを得るには、まず情報のシャワーを浴びるべきだ、と僕は何度も言っている。

だが、最も大事なのは、遊びにハマることだ。

「大人になったら、そんなに没頭できる遊びなんてありません!」

多くの人はこう言うけれど、はっきり言ってそれは嘘だ。誰でもハマれる遊びは必ずある。生まれてからいままで、一度も遊んだことがない、という人はいないだろう。みんな中途半端にやめてしまって、遊びきっていないだけだ。

僕は子どもの頃からハマり癖がすごかった。テレビゲームも、身体を使う遊びも夢中でやった。幼稚園のときに覚えた麻雀は、中学生になって熱中した。

一度楽しいと感じた遊びは、ひたすらやり尽くした。まわりの友だちが飽きてきても、僕が楽しければそれでいいから、1人で遊び倒したものだ。

そしてあるとき、パソコンに出会って完全にリミッターが外れた。プログラミングを自分で覚えて、仕事を請け負ってお金を稼ぐようにもなった。やがてインターネットの存在を知って、起業を果たした。

ビジネスでもハマり癖のリミッターは外れたまま、寝る間を惜しんで働きまくった。ほとんど家には帰らなかった。ビジネスでステップアップしていく自分の視界にひたすら興奮しまくっていた。そうして夢中で走っているうちに、僕は多くのチャンスをつかめたのだ。

遊びの限界を「没頭力」で突破してこそ

客観的に見れば、僕はいろんな才能を持っていたのかもしれない。でも僕自身はとくに「できる人間」だという自覚はない。好きなことに没頭していただけだ。

ただ、遊びを徹底的に遊び尽くす!という「没頭力」は誰よりも強いと思う。

好きなことを好きなだけやって、ほかのことは何も考えずに遊びきれた人が、どの分野でも成功してお金を得ている。リミッターが外れるまでハマった人は、遊びの限界を突破した向こうに、新しい景色があることを経験するのだ。

YouTubeにハマった人が、巨額の広告収入を手に入れている。片づけにハマった人が、独自のメソッドを発信して世界でビジネスを展開している。これらをひと握りの特殊例と思うかもしれないが、もっと小規模のハマり癖であっても、同じようにお金を儲けて人生を大きく変えた例は無数にある。

自分にリミッターをつけてはダメだ。スマホから見える、未来の景色を増やしていこう。自分が変わり続けるために、好きなことを全力でやり尽くそう。

僕がこう言うと、「現実では遊びで稼げない」「好きなことだけでは食べられない」と言う人が出てくる。果たして、それは本当だろうか?


“財”の大きさをお金で測っているうちは、テクノロジーがつくり出す社会の本質は見えない。例えば、好きなことを映像化して広告収入を得ているYouTuberは、「楽しみや経験を共有する」という、無形の財を生んでいる

「SHOWROOM」でライブ配信を頑張っているタレントたちも、趣味の活動や旅行先の写真を公開して稼いでいる。

SNSでも同様のことがよく起こっている。あなたが大好きでやっていることは、スマホ1つで仕事になるし、お金だって手に入る。そんな社会がやって来たのだ。

ハマる人たちが求めているのは、単純に自分の「好き」を楽しむことであって、「お金」ではない。しかし結果として、収入を得ていることも事実だ。だったら、思いっきりハマってみるのも悪くないだろう。スマホを通して好きなことだけを突き詰めれば、暮らしていける。そんな夢のような社会がすぐ近くに来ていることに気づいて、行動してほしい。