新型コロナウイルス感染症に関連している可能性がある子どもの重度疾患について解説した図。(c)AFP

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【AFP=時事】欧米でここ数週間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連するとみられる子どもの重度の免疫異常が急増している。

 これまでにこの症候群で死亡した子どもは、米ニューヨークで3人、フランスと英国で1人ずつの少なくとも5人おり、さらに少なくとも別の2人の死亡もこの症候群によるものと疑われている。

■新型コロナとの関連は?

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は今月上旬に行われたオンライン記者会見で、「初期の報告では、この症候群は新型コロナウイルス感染症に関連している可能性があるとの仮説が立てられていた」と述べ、「この子どもの症候群の理解を深める」援助を世界の臨床医学者らに求めた。

 フランスの国立保健監視機関は、関連している確率は「非常に高い」との見方を示している。

 専門家らは、新型コロナウイルスは免疫系に激しい反応を引き起こし、免疫系がウイルスに感染した子どもの体内組織および臓器を守るのではなく、むしろ敵対するようになると考えている。

 米ニューヨークにあるコーエン小児医療センター(Cohen Children's Medical Center)のサニル・スード(Sunil Sood)小児科医師はAFPの取材に「子どもらは以前にウイルスにかかったが、体がそれと闘って追い出した」「だが今起きているのは、遅れて現れた過剰な免疫反応だ」と説明した。

■症例数は?

 欧州疾病予防管理センター(ECDC)は15日、欧州ではいわゆる小児発症性多系統炎症症候群(PMIS)と疑われる14歳以下の子どもの症例が約230件見られると発表した。

 英医学誌ランセット(The Lancet)に先週掲載された研究論文によると、イタリア北部ベルガモ(Bergamo)の医師らは、幼い子どもの重度炎症性疾患の発生数が30倍に増加したと報告している。

 米国ではニューヨーク州で100件を優に超える症例が確認されており、保健当局はこの謎の疾患に警告を発している。

■症状は?

 この新たな疾患は、非常に幼い子どもがかかる川崎病のように、続く発熱、激しい腹痛、発疹、舌の腫れなどの症状が見られる。

 さらにPMISは血管の炎症を引き起こし、一部のケースでは心臓障害に至る。南仏マルセイユ(Marseille)で死亡した9歳の男児は「心停止に伴う神経損傷」があった。つまり、心臓発作だ。

 だがPMISが川崎病と異なっているのは、主としてより年長の子どもがかかる点だ。

 英ロンドンのグレート・オーモンド・ストリート病院(Great Ormond Street Hospital)の小児感染症科のカリン・モシャル(Karyn Moshal)医長は英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に「われわれが診察している患者は7、8歳から17歳までだ」と語った。

 英国のエバリーナ・ロンドン小児病院(Evelina London Children's Hospital)免疫科のジュリア・ケニー(Julia Kenny)医長によると、同病院ではこの症候群の兆候がある子どもの患者50人以上が治療を受けた。

 ケニー氏はBMJに「綿棒による新型コロナウイルス検査では陽性判定がほとんどなかったのに、ウイルス抗体検査では過半数が陽性だった」と語った。つまり、気付かないままにウイルスには感染していたということだ。

 実際、PMIS症例の急増は、新型ウイルスの感染ピークから数週間遅れて起きているようだ。それが示唆しているのは、ウイルス抗体がPMISの症状を引き起こす役割を担っているらしいということだ。

■罹患する子どもに遺伝的共通点?

 研究者らは、子どもの中でその症候群にかかる子とかからない子がいるのはなぜかを探っている。大人の場合、最大の予測因子は各既往症だが、幼い子どもには当てはまらない。

 昨今の例で浮上した一つの説は、遺伝的な共通点だ。

 ランセットに先々週掲載された研究論文によると、英国の症例では、最初の8人の子どものうち6人はアフリカ系カリブ人をルーツに持っていた。

 フランスで死亡した男児も、主治医によると、アフリカ系だった。

【翻訳編集】AFPBB News

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