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新型コロナウイルスを風刺した東京五輪の大会エンブレムのデザインを月刊誌に掲載したことで、大会組織委から抗議を受けていた外国特派員協会(FCCJ)のカルドン・アズハリ会長は5月21日、オンライン会見を開いて、デザインを削除すると発表した。「今回の問題でご不快な思いをされたすべての人にお詫び申し上げます」と謝罪した。

問題になっているのは、FCCJの会員向けに発行されている月刊誌「NUMBER 1 SHINBUN」4月号の表紙に掲載されたデザイン。東京五輪の大会エンブレムと新型コロナウイルスをかけあわせたもので、その下に「COVID-19」と記されている。

月刊誌は、FCCJのフロントで紙の雑誌が配布されているほか、ウェブサイトにも掲載されている。

大会組織委は「東京五輪の象徴であるエンブレムと新型コロナウイルスをことさらに結びつけたデザインを会報誌の表紙やウェブに掲載したことは誠に遺憾だ」「著作権の侵害にもあたる」などとして抗議していた。

FCCJのカルドン・アズハリ会長によると、理事会として、弁護士などに相談したところ、「(著作権法的に)有利ではない」という助言を受けたことから、問題のデザインをウェブサイトから削除することを決めた。紙の雑誌はすでに配布されていないという。

この日の会見では、FCCJの会員でもある記者らが参加して、「アメリカやヨーロッパでは問題にならないはずだ」「著作権の問題に矮小化してはいけない」といった意見もあがったが、アズハリ会長はあくまで、表現の自由ではなく、著作権の問題であることを強調した。

今回の問題を受けて、会報誌の編集長は辞任したという。