2020年クラシック候補たち
第16回:ホウオウピースフル

 2018年のGI有馬記念(中山・芝2500m)の勝ち馬ブラストワンピース(牡5歳/父ハービンジャー)。同馬の半妹が間近に迫ったGIオークス(5月24日/東京・芝2400m)に出走する。

 美浦トレセンの大竹正博厩舎に所属するホウオウピースフル(牝3歳/父オルフェーヴル)である。


オークスに挑むホウオウピースフル

 グランプリホースを兄に持つ良血馬は、昨夏にデビュー。初陣の2歳新馬(8月18日/札幌・芝1800m)には、のちにGIIIクイーンC(2月15日/東京・芝1600m)を制するミヤマザクラなど、ハイレベルなメンバーがそろっていた。

 ホウオウピースフルは、そのレースで鮮やかな勝利を飾った。3、4番手を追走し、最終コーナー手前から徐々にポジションを上げて、直線入り口では堂々と先頭へ。そこから一気に加速すると、後続との差を広げてトップでゴール板を通過した。

 2戦目の1勝クラス・百日草特別(11月3日/東京・芝2000m)でも、盤石の競馬を見せた。5頭立てという少頭数のなか、好位2、3番手につけてリズムよく追走。そのまま直線では、メンバー最速の上がり33秒6という末脚を繰り出し、2着以下に2馬身差をつけて快勝した。

 年明けの3戦目には、重賞のクイーンCに臨んだ。初のマイル戦だったものの、好スタートから中団をキープ。うまく流れに乗って、直線でもスムーズに外に出して、万全の追撃態勢に入っていた。だが、過去2戦のようには伸び切れず、勝ったミヤマザクラからコンマ6秒差の6着に終わった。

 そして、初の敗戦からきっちり立て直して挑んだのが、前走のGIIフローラS(4月26日/東京・芝2000m)。経験のある2000mとあって、道中4、5番手につけてレースを進めると、いい手応えで直線を迎えた。

 しかし、その直線で馬群に包まれてしまう。前方、左右ともに囲まれて、なかなか抜け出せずにいたが、残り200m付近でやっと前が開いた。そこから瞬時に加速し、豪快な末脚を披露。内からスルスルと先頭に立ったウインマリリンには届かなかったものの、2着に入ってオークスの出走権を獲得した。

 こうして、牝馬クラシック出走への切符を手にしたホウオウピースフル。陣営も前走のレースぶりを見て、この馬の能力の高さを改めて実感しているという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ホウオウピースフルは、普段からテンションの高いタイプで、フローラSでも前半はかなり行きたがっていました。しかも、直線では前が壁に。それでも、最後は勝ち馬をクビ差まで追い詰める走りを見せて、スタッフは『スムーズな競馬なら、勝っていたのでは』と話しています」

 一方で、本番に向けての課題も見えたようだ。トラックマンが続ける。

「やはり、ポイントとなるのは折り合い面。オークスではさらに距離が延びるので、スタッフも『当日のテンションが上がらず、リラックスして(レースに)臨めるかどうかがカギ』と話していました。とりあえず、前走後のガス抜きはうまくできているようで、あとはレースをどう迎えるかでしょう」

 なお、オークスのジョッキーは、抽選対象のリリーピュアハートが出走できなければ、福永祐一騎手が鞍上を務める。リリーピュアハートが抽選を通った場合は、大野拓弥騎手が手綱をとる可能性が高いようだ。 どちらにせよ、ホウオウピースルフルは、大舞台で一発が期待できる血筋であり、それだけの能力を秘めていることは間違いない。折り合えさえつけば、GI奪取のチャンスも見えてくるのではないか。