人生百年時代で警察官のお古(失礼)が余っている。まだ体もピンピンしていて、捜査の能力も蓄積もある。安治川信繁(高橋英樹)は神奈川県警生活安全部・消息対応室に再雇用される。昇進はなし。室長は元刑事の左遷組で芝隆之(石黒賢)、他に1人こうるさい新月良美(本仮屋ユイカ)がいて最初は小ばかにされていたが、管理官が懐かしそうに敬意をもって安治川に挨拶するので見直される。

無風の対応室に、行方不明の届けがあった男が死体で発見されて事件が動き出す。本間という名前の不明者だったが、死体は別人。だが、彼は本人の保険証を持っていた。かくして、複雑な展開が始まる。結局、男が3人いて、トリプルの交換殺人(?)。まあ筋はどうでもよろしい。対応室の再雇用者なんか邪魔者扱いだが、かつての安治川が人に慕われていたので、何となく捜査に貢献してしまう。

ミステリーの筋書きは余りにも作為的で、リアリティに欠けた。対応室などという地味で活力のない部署の話を引っ張ってゆくためにエキセントリックな設定にしたのだろうが、無理のしすぎ。

高橋英樹が張り切って再雇用、身分不如意、捜査官の資格なし男を演じているが、この人を見ると、筆者はどうしても「越後製菓!」の餅屋の宣伝CMを思い出してしまう。また、娘と一緒にデカい顔でバラエティの中でニヤついている印象が強い。昔は時代劇の殿様、歳と共にすっかり身過ぎ世過ぎに身を任せだ。フリーは辛いね。(放送2020年5月11日20時〜)

(黄蘭)