リオン(6823)の株価は10年で約7倍に 補聴器で国内トップシェアを誇る 社会ニーズで成長余地大きく、長期保有向けか

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リオン(6823)の株価は10年で約7倍に

 リオンは国産補聴器メーカーで、国内シェア20%を誇るトップ企業です。同社の株価は、上昇トレンドを続け、今年1月に上場来高値3850円をつけました。約10年前の株価と比べて7倍以上です。現在の株価は2200〜2300円台を推移しています。2020年3月期の年間配当は43円と増配です。

 リオンは1948年に量産型補聴器を国内で初めて発売しました。リオンの「リ」は理学の「リ」、「オン」は音響の「オン」です。当時の顧問である佐藤孝二氏は「音響学は人生の安全と慰安に奉仕する学問である」という理念を抱き、世の中に役立つものを作り出すことを志していたのです。

難聴と認知症発症率に相関があり、補聴器が注目

 人間は加齢と共に、聴力が衰えます。40歳頃から低下が始まります。最初は高周波が聞こえにくくなり、50歳以降は低周波領域の聴力が徐々に低下します。聴力の低下は、生活の質を落とします。人との会話がしにくくなるのに加え、音による脳への刺激が減り、聴力をつかさどる脳領域が縮小してしまうのです。

 近年、難聴と認知症の発症率に強い相関があることが各種研究から明らかになっています。2011年に米国のジョンホプキンス大学が発表した研究によると、難聴と認知症の発症率は、軽度の難聴で認知症の発症率はおよそ4倍、中度の難聴だと6倍以上、重度だと7.5倍となるそうです。

 こうした研究が進むことで、難聴を放っておいて認知症を発症させる社会コストが意識されています。慶應大学医学部の佐渡充洋氏によれば、2014年の認知症の社会コストは14.5兆円で、高齢化が進む2060年には24兆円にのぼると試算しています。

 ここで言う社会コストは認知症患者が増えることで介護負担が増すことから求めたものですが、私たちにとってはそれ以前に豊かな人生を過ごすことが重要です。そのためには、他者と積極的に対話したり、多様な音に囲まれたりして、聴覚を刺激できる環境を用意し、未然に防ぐ努力が肝心です。

日本での補聴器の普及率は低く、今後も成長が期待

 補聴器の普及を他の先進諸国と比べると、残念ながら、日本だけが遅れています。補聴器の普及率は、英国で40%以上、他の先進諸国でも概ね30%以上ありますが、日本に至っては14%しかありません。また、補聴器の使用満足度も低いです。その主因はインターネット購入にあります。

 日本では補聴器をインターネットで買ってそのまま使えると誤解している人も多いようですが、それでは聴力が戻らないばかりか、逆に聴力を傷つけることになりかねません。補聴器は聞こえればよいから片耳だけ装着するという人もいますが、これも間違いです。両耳への装着が好ましいのです。

 補聴器を正しく使うには、補聴器認定技能者によるトレーニングが欠かせません。補聴器の装着や保管の仕方から始まり、装着時間も徐々に長くしていかなければなりません。聴力は人によって異なるため、その人に合うように補聴器の機能を調整する過程が必要です。

社会的意義の高いリオンを長期投資で応援

 難聴と認知症の相関が明らかになるにつれて、近年、補聴器の装着を薦める耳鼻科医が増加傾向にあり、同社に追い風が吹いています。同社は販売店「リオネット」を全国展開し、どの店舗にも補聴器認定技能者や検査機器を配置しています。

 医師の紹介が増えて補聴器の販売が伸びれば、リオンはもちろんですが、補聴器を装着した顧客の満足度も上がり、その先には認知症の発生低下による家族や社会の介護負担の軽減も期待できます。つまり、同社の活躍が、私たち国民の生活を豊かにし、社会コストも低減するのです。また、同社は補聴器を国内で開発・生産しています。それによって生まれる雇用なども含めて、同社は日本にとって欠かせない存在と言えるでしょう。

 企業は、単なる利益追求のための組織ではありません。人生を豊かにする社会的な存在でもあるのです。リオンの補聴器は高価です。理由は、補聴器は医療機器であり、より良い補聴器を開発する費用も必要ですし、認定技師たちが長期にわたり一人一人をサポートする必要があるからです。

 最後になりますが、私たちダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの投資助言部は、社会的価値の高い同社を業績が良いときだけでなく悪いときも、長期で継続的に応援することを誓います。

(DFR投資助言者 山本潤)

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