■「密会」という4つ目の密は防げるか

新型コロナウィルスの影響で、「3密」(密閉/密集/密接)を避けることやソーシャルディタンスを保つことが余儀なくされています。これにより、恋愛市場においてもお見合いや合コンパーティーなどがオンライン化される一方、実際に相手と対面するデートは「3密」に当たる部分が多いため、なかなかハードルが高くなっています。

写真=iStock.com/Poike
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Poike

そんな中、不倫市場も大きな変革の時を迎えることとなりました。

不倫は3密に加えて「密会」という4つ目の密も兼ね揃えているため、今まで通りのやり方ではリスクが大きいのは当然でしょう。

今までは人目を忍んで密会していた愛人女性たちが、今回のコロナによって既婚男性から不倫切りされるケースが増えています。もし不倫相手との濃厚接触によってコロナ感染してしまった場合、感染ルートが公になっては困るからです。それで、もし家族にも移してしまったら顔向けできませんよね。

とはいえコロナ不倫の自粛度は、本人たちの入れ込み具合によっても違うようです。自粛度別に見ていきましょう。

■バッサリ関係を切られた港区女子の末路

<不倫自粛度★★★>リスクを恐れてバッサリと不倫切り

国内でもコロナの蔓延が深刻になってきた2月下旬頃から、既婚男性が愛人と会うのを避けていくケースです。コロナ感染のリスクよりも、不倫密会を優先させられないと判断された形になります。

さらには既婚男性が在宅ワークになり、家族の目が気になって愛人への連絡すら激減することも。そうなると、いよいよ疎遠になってほぼ破局状態になります。

愛人女性の方はコロナによって関係をバッサリと切られ、孤独になり、現実を突付けられて不倫から目を覚ます人もいれば、ひどく落ち込んでコロナ鬱状態になる人もいます。

このケースの既婚男が、もしコロナ以前に「妻とはうまくいっていない、いずれは離婚したい」という旨を言っていたとしても、それは真っ赤な嘘だったということになりますね。残念ながら本心は、「家族が一番大切だけど、たまに刺激がほしくて不倫していた」という程度でしょう。

■体には触らない……お互いのためを思った本気の不倫

<不倫自粛度★★☆>ソーシャルディスタンス不倫を継続

二人の不倫愛はゆるぎないもので、コロナ禍でも頻繁に連絡をとり、ときどき密会をしているパターン。ただし、感染予防のために密会してもソーシャルディスタンスを守るのが鉄則で、たとえホテルの部屋で会っても2m開けて座り、キスもしない・手も握らずに愛だけを語って解散するという形です。

相手に触れたいのは山々ですが、そこはお互い相手の健康を思いやって自粛しながら、コロナ終息をひたすら待つ二人……。自粛期間が明けたら、その反動でものすごく燃え上がりそうですね。

このケースでは、愛人女性の方も、彼を感染させて万が一彼の家族にも迷惑をかけてしまうことを気遣って、ソーシャルディスタンスやキスエチケットを守っているので、割り切りの付き合いではなく本当に好き同士の不倫カップルであることが垣間見えます。

■外出自粛を逆手に、激しくむさぼり合う失楽園

<不倫自粛度★☆☆>欲望のままに濃厚接触不倫

緊急事態宣言が出ている最中でも、変わらずに逢瀬を重ねる不倫カップル。

不倫男は日中のテレワークの時間を抜け出して、ビジネスホテルのデイユースを活用して愛人と会い、夕飯前に妻や子どもが待つ家に帰宅するという非常にけしからんパターンです。自粛した点といえば、夜に会わなくなったことくらいでしょうか。

頭では、この自粛期間にホテルで濃厚接触してはいけないと分かっていながらも、体の相性が良くて欲望が止められないようです。

また、既婚男性の方が、長期にわたる在宅ワークのストレスが溜まって、うっぷん晴らしに不倫へ出掛けるということもありますし、家庭に自分の居場所がないなどの理由から、不倫をすることでメンタルバランスを保っていることもあります。

コロナ不倫のリスクは絶大ですが、そのスリル感がまた刺激的でやめられない人もいるでしょう。

このように、コロナによってバッサリと不倫切りする人、一定の距離を取る人、変わらずに続ける人と、コロナ不倫の自粛度合いは人それぞれです。

■それでも不倫する男たち、テレワークセクハラが横行中

アフターコロナの世界になった今、これまでのような密会ベースでの不倫がなかなか難しい状況となり「この世から不倫が消えるのか?」と思いきや、また新たな手口が出てきています。

社内会議や打ち合わせも、できる限りビデオチャットなどのオンラインで行う傾向にあるなかで、テレワークセクハラに悩む女性が増えているといいます。

普段は会社でしか会うことのない上司とオンライン会議をした際に、「そこは寝室? 他の部屋も見せてよ」「私服だとセクシーだね」などと言われたり、仕事の用事でもないのにオンライン飲みに誘われたりと、テレワークになって図々しく私生活に入り込んでくるケースです。

さらにエスカレートすると、女性社員とのビデオ会議中にカメラに映らないところで自慰行為に及ぶ男性もいるとのことで、何とも由々しき事態。

テレワークセクハラをする人の特徴の一つとして、「会社で対面した時にはセクハラ行為が見られないタイプなのに、オンライン上になると果敢にセクハラ発言をしてくる」という声がありました。画面越しだと積極的になれる性質なのかもしれません。とはいえ女性からすると、思いもしなかった相手からテレワークセクハラされるのは、かなりの恐怖心だと思います。

また逆に、何気ない一言がセクハラだと思われてしまうこともあるので、気をつけたいところです。

■夫たちは密会を諦め、社内テレワーク不倫に移行か

テレワークセクハラとも取れる言動をした場合でも、相手女性が嫌悪感を抱かず、むしろノって来た場合にはオンラインを通じて深い仲となり、社内テレワーク不倫に発展する可能性も大いにありえます。

従来のオフィス出勤時には、他の人の目もあって大胆なアプローチもできないし、密会することもなかなか難しいですが、オンラインなら二人っきりでいくらでも繋がることができるので、社内の人にバレることなくテレワーク不倫ができてしまいます。オンラインデートは交通費や飲食代等の出費もかかりませんし、移動時間もなく効率的。密会不倫よりもリスクが低くコスパも良いと言えそうです。

“二人だけの秘密”を共有することは、男女の恋愛感情を盛り上がらせる大きな要素ですが、それがオンラインでできてしまう社内テレワーク不倫……今後増えるかもしれませんね。

■今後は“在宅不倫”がトレンドになる可能性

コロナショックにより、不倫も「#stayhotel」から「#stayhome」へ。

外出自粛を前提に考えると、在宅でオンラインデートを楽しみ、会う場所も自分か相手の家になるという、在宅不倫がトレンドになってきそうです。

共働き夫婦で、夫がテレワーク・妻は出社している場合、妻が仕事で家にいない時間帯に不倫相手を自宅に呼んで密会するケースもあるようですが、万が一妻が早く帰宅して、不倫現場に居合わせてしまったら……修羅場必至。

コロナ不倫のリスクは計り知れません。

とはいえ、コロナ禍で全体的には不倫が減ってきているといいます。

またサレ妻たちの間では、「外出自粛により夫が不倫相手と会えなくなって、良かった」と思っている人もいるとのこと。

コロナにより、日本の不倫構図も変わりつつあるようです。

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田中 絵音日本合コン協会会長
恋愛アドバイザー。2000回以上の合コンイベントに携わり、男女の恋愛心理に精通する。著書に『こじらせ男子の取扱説明書(トリセツ)』など。
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(日本合コン協会会長 田中 絵音)