デジタル技術をフル活用し建築物の設計、施工、管理を行う最新の技術BIM( Building Information Modeling)とサイバー空間と現実の建築物をリアルタイムにリンクさせる"デジタルツイン"。建設大手の鹿島は5月11日、同社が手掛けるオービック御堂筋ビルプロジェクトにおいて、これらの技術を導入し建物の企画・設計から竣工後の維持管理・運営までを実現していることを発表した。

オービック御堂筋ビルのイメージ(同社資料より)

BIMとは、3次元建築物のデジタルモデルに、属性データを付与し建築物のデータベースを構築し、データを建築物の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で活用していくソリューションだ。建築物は完全データ化され、建築物の性能や環境などをシミュレーションし建築コストから、施工プロセス、将来のメンテナンスやセキュリティ対策までフル活用することで建物の資産価値を向上させることができる。

プロジェクトにおけるデジタルデータの流れ(同社資料より)

"デジタルツイン"は物理空間の細部データを仮想空間にリアルタイムに再現することで、データ解析によるメンテナンスやシミュレーションを可能にする技術。デジタルツインは、製造設計などの世界で活用が進んでいるが、2017年5月から2020年1月に行われたオービック御堂筋ビル建築プロジェクトで実行された項目は、設計から運営段階までの建設工程すべてに導入されており、国内初のケースになるという。

企画・設計フェーズ段階で3Dモデルによる気流シミュレーションと環境シミュレーション、各種設備のモジュール化の設計。施工フェーズでは、各モジュールをプレファブ・ユニット化。全工事プロセスのデジタル化と進捗管理。進捗管理に関しては、MR技術を活用し仮想空間でのリアルタイムの施工状況の確認も行われた。

オービック御堂筋ビル新築工事でのBIMによるデジタルツイン(同社資料より)

維持管理・運営フェーズでは、ファシリティマネジメント(FM)プラットフォームとBIMデータを連携し、日常点検から設備監視までデータを収集し、新しい企画と開発へフィードバックが行われるという。同社では、竣工後の維持管理・運営を効率的に行うソリューション「鹿島スマートBM」を既に開発しており、今後これらのシステムと連携し、建築物の長寿化とライフサイクルコストの低減も行っていくという。