ストレートな物言いは、鋭く核心をつく。世界を舞台に戦ってきただけに、その言葉には重みがある。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ともすれば、厳しさを伴うかもしれない。だが、オブラートで包まず、ストレートな物言いは、鋭く核心をつく。すべてはチームのため、仲間のためを思ってのことだろう。そして、自分にも言い聞かせるように。

 日本代表でも、欧州の舞台でも最前線で戦ってきた。厳しいプロの世界の酸いも甘いも嚙み分ける内田篤人だからこそ、その言葉には重みがある。古巣鹿島に復帰した2018年シーズン以降に語られた、飾らない“本音”を厳選してお届けする。

【1】
「ワイワイとかするつもりはない」

 2018年、約7年半ぶりに古巣鹿島に復帰。1月9日のチーム始動日、ランニング中に気づけばひとりで黙々と走る姿があった。もちろん、周囲とのコミュニケーションを拒否しているわけではない。ただ、「そんなにベタベタする必要はないと思う。“仲良しこよし”のチームではないから」ときっぱり。覚悟の表われでもあるのだろう。「タイトルを取るためなら、練習中から厳しくやるつもりです」と表情を引き締めていた。

【2】
「上手いと思いますよ。でも、特徴がない気がする」

 若かりし日の自分と、最近の若手を比べた時の印象について語る。「全体的にボールを扱う技術は高くて、キープできて、相手をかわす」と、トータルでレベルが上がっていると実感する一方、「足がめちゃくちゃ速いとか、ヘディングが超強いとか。なんとなく“クセ”が見えにくい」と物足りなさも感じているようだ。

【3】
「楽できるところは楽をする」

 単純にサボりたいから、というわけではなく、効率性を重視。「リーグ戦で、3-0で勝っていて、残り10分も全力で頑張っていたら、チャンピオンズリーグなんて戦えない」というドイツでの経験から。ただし、それは「試合に勝っていることが前提の話」。負けていたり、格上と戦う時は「相手より走らないとダメ」という考えだ。
 
【4】
「いつまで経っても優勝できないなら、やる意味がない」

 久々の日本でのプレーで何を目指すか、という問いに対し、「どう考えても、結果」と答える。「サッカー選手に限らず、アスリートやスポーツ選手は結果を出してナンボ」と言い切り、常に勝利を求められる鹿島の選手として、タイトルへの強いこだわりを見せる。

【5】
「正直、これまでは強かった時期の“お釣り”みたいな部分で取ってきたタイトルもいくつかあると思う」

 鹿島復帰1年目の18年、チームは悲願のACL初制覇で節目の20冠を達成。そして、多くのタイトルをもたらしてきたレジェンド小笠原満男の引退――「ひとつの時代、鹿島が強かった時代が幕を閉じた」と語っていた19年の春。“常勝軍団”の肩書には「頼れなくなってきている」と、新たなフェーズに入ったことに気を引き締めていた。
 
【6】
「満男さんみたいにはなれないと思う。絶対に追いつけない」

 18年のインタビューでは、「鹿島には満男さんみたいな人がずっといなければならない。それを期待されているのが、俺なのかなっていう。そういう存在にならないといけない」と決意を口にしていた。その言葉通り、19年は腕章を巻く立場になったが、先達の偉大さを十分に理解し、リスペクトしているからこそ、「だから変に真似をするのではなく、自分のスタイルで行くべき」と強調した。

【7】
「今日の戦い方に関して、何か言われるのは、ちょっと納得できなかった」

 19年3月のアウェー川崎戦は1-1のドロー。前節のホームでの開幕戦も大分相手に1-2と勝てず、スタートダッシュに失敗。報道陣から「ファンから厳しい言葉をかけられていたが?」と質問された際のコメント。ファンやサポーターを非難したかったわけではない。「ブーイングされれば、『うまくいっていないんだな』と思われてもしょうがない。そこは隠してでも、次に向かわなければいけない。それは選手だけでなく、サポーターも。そういう関係性を築きたい」と、“共闘”の願いが真意だった。